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「青年期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青年期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の谷窪に晩春の花々が咲き残っていた頃だった。 復一は生れて地方の水産学校へ出る青年期までここに育ちながら、今更のように、「東京は山の手にこんな桃仙境があるのだ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
かの女の顔を向側に映し出す。派手な童女型と寂しい母の顔の交った顔である。むす子が青年期に達した二三年来、一にも二にもむす子を通して世の中を眺めて来た母の顔である....
河明り」より 著者:岡本かの子
海にいる若い店員からも同意の電報が来た。 小さいときから一緒に育ったけれども、青年期に入る頃から海に出はじめ、だんだん父娘には性格が茫漠として来た若い店員には....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
ひどく面倒がることに於て、まったく珍らしい程の性格だと云えましょう。それ故か、少青年期間に於ける氏は、かなりな美貌の持主であったにかかわらず、単に肉欲の対象以上....
獄中消息」より 著者:大杉栄
だったが、まさか今なおそんな事情が続いているのではあるまいね。彼は今、少年期から青年期に移る、肉体上および精神上に一大激変のあるもっとも危険な年頃にある。そして....
時 処 人」より 著者:岸田国士
迎えて以来、よくもよくも生きたものかな! と思う。 少年時代を東京と名古屋で、青年期を東京と九州で、二十台の終りから五年間をヨーロッパで過した関係で、いつの正....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
意気になってきた。 そのうちに中学の業を終える。明治二十五年である。少年期から青年期に入る。事の順序は表面平穏に推移するが、少年から青年に経過するその間の変遷....
火の扉」より 著者:岸田国士
たのが、十四の年だ。幼年学校の五年、士官候補生を三年、これはおれの少年期の最後と青年期の大部分をあげて、ひたすら偉大なる武人という夢を追つた時代だ。隊附の一年は....
生活から学ぶ」より 著者:岸田国士
、と思うような、ごく些細なことだが、案外人の気のつかない習慣を、わたくしは少年期青年期を通じて植えつけられた。現在、老年に達しても、その習慣がさほどの無理もなく....
唇草」より 著者:岡本かの子
テルのベランダで、夏の夜更けまで、港の灯を眺めながら語った。彼は彼の日本で暮した青年期の出来ごとに就て、さまざま語った。特に恋愛に就て………。 「僕が今まで恋し....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ことになる。それらの関係から、五年、六年とつづくうちには、最初の子供役者も大抵は青年期に入ってしまったのと、子供芝居の流行熱も次第におとろえて来たのとで、みなそ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
亭と最も深く往来交互したのは『浮雲』発行後数年を過ぎた官報局時代であって幼時及び青年期を知らず、更に加うるに晩年期には互いに俗事に累わされて往来|漸く疎く、臂を....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
名店に飛び込んで経験するほかに近道はなかろう。かといって、二十歳や三十歳くらいの青年期では、酢加減がどうの、まぐろの本場物、場違い物などとみてとれるはずがない。....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
行われた元久二年から足かけ四年前のことで、定家はすでに四十一であった。定家がその青年期壮年期に殆ど出世ということをしないで初老を迎えたのだから、その間に焦燥し憂....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
性欲)の一つであります。そして他の二欲と違って、年齢により著しき消長があります。青年期から壮年期にかけて強く、少年期はまだ現れず、老齢になるに及んで減退するもの....