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青毛
「青毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
はいった時だったと思う。薄暗いすみっこに、色のさめた、黒い太い縞《しま》のある、
青毛布が丸くなっていた。始めは、ただ毛布が丸めてあるんだと思ったが、例のジプシー....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
の嫡子、太郎義信は時に二十四歳、武田菱の金具|竜頭の兜を冠り、紫|裾濃の鎧を着、
青毛の駿馬に跨って旗本をたすけて、奮戦したことは有名である。その際|初鹿野源五郎....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ら馬をひいて街道を降りて来る村の小前のものがある。福島の馬市からの戻りと見えて、
青毛の親馬のほかに、当歳らしい一匹の子馬をもそのあとに連れている。気の短い問屋の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。表庭の早い椿の蕾もほころびかけているころで、そのあたりにつながれている立派な
青毛の馬が見える。総督へ献上の駒とあって、伝吉、彦助と名乗る両名の厩仲間のものが....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
時であった。彼は当時の旅人と同じように、黒い天鵞絨で造った頭陀袋なぞを頸にかけ、
青毛布を身にまとい、それを合羽の代わりとしたようなおもしろい姿であったが、短い散....
「乳房」より 著者:宮本百合子
って袖子が何かを手繰《たぐ》るような手つきでそれをふっている。二郎が、茶の毛糸と
青毛糸とをいかにも間に合わせに継いで寸法をのばしたジャケツを着、ゴム長をふんばっ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
に、明石、珊瑚、トンボの青玉が、こつこつと寂びた色で、古い物語を偲ばすもあれば、
青毛布の上に、指環、鎖、襟飾、燦爛と光を放つ合成金の、新時代を語るもあり。……ま....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
実はそろ/\心配でしたが、私は平気そうな顔つきでいました。 二匹の馬は、一匹は
青毛で、もう一匹は栗毛でしたが、彼等は私の顔と両手をしきりに見ていました。そのう....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
見から大和へのぼって来る時の歌で、第二長歌の反歌になっている。「青駒」はいわゆる
青毛の馬で、黒に青みを帯びたもの、大体黒馬とおもって差支ない。白馬だという説は当....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ははじめてだったが、さすがに身がひきしまるのを覚えた。 ところどころ虫の食った
青毛氈のかけてある卓を中にして腰をおろすと、先生はすぐたずねた。 「宝鏡先生が、....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
先生の事件以来、この室にはいるのは四年ぶりである。テーブルには相変らず虫のくった
青毛氈がかけてあり、「思無邪」と書いた正面の額も、昔どおりであった。 二人が腰....
「山寺の怪」より 著者:田中貢太郎
消して鳴声ばかり聞えていたが、やがて勢よく斜におりて来て花の中に隠れた。林の下は
青毛氈を敷いたように芝草が生えていた。武士はこんな佳い処があるのに主翁は何んのよ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
が立留って見て鼻をつまみながら、くせえくせえなどと悪口をいって居る、その後へ来た
青毛布のじいさんなどは一向匂いなにかは平気な様子でただ虎のでけえのに驚いている。....
「三国志」より 著者:吉川英治
なかれ」 と、孫堅は、新手でもあるので、またたく間に、南門を衝き破り、彼自身も
青毛の駒をおりて、濠を越え、単身、城壁へよじ登って、 「呉郡の孫堅を知らずや」 ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。 壊れバケツに金紙の両眼を貼り、金の髭をつけ、それを一人が冠って、その頭から
青毛布の波を躍らしうねらし、一人がその尻にもぐって担ぎあげて、飛んだり跳ねたり、....