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青畳
「青畳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青畳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
によって天井と牀との二元性を判明させることにある。天井を黒褐色の杉皮で張るのも、
青畳との対比関係に関心を置いている。また、天井そのものも二元性を表わそうとするこ....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
たと思ったときには、もう相手の肩口から迸った血が、さっと、まだ替えてから間もない
青畳の上に散っていた」 実際、嘉平次の頭の中にも、そうした光景がまざまざと浮ん....
「地球盗難」より 著者:海野十三
飛行機だから、すこぶる快速であった。大隅学士は久しぶりでのんびりした気持となり、
青畳を敷いたような遥かな下界の美しさに酔っている間もなく、搭乗機は三時間のちに天....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
心を打切って、離れた目で眺める雛妓は、眼もあやに美しいものであった。 備後表の
青畳の上である。水色ちりめんのごりごりした地へもって来て、中身の肉体を圧倒するほ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
それでも、大崩壊の鼻を廻って、出島の中へ漕ぎ入れたでござります。 さあ、内海の
青畳、座敷へ入ったも同じじゃ、と心が緩むと、嘉吉|奴が、酒代を渡してくれ、勝負が....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
で、上の山から、日の出の下、二見の浦の上を通って、日和山を桟敷に、山の上に、海を
青畳にして二人で半日。やがて朝日館へ帰る、……とどうだ。 旅籠の表は黒山の人だ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
果させるため、とあって、――南新地の浪屋の奥二階。金屏風を引繞らした、四海波静に
青畳の八畳で、お珊自分に、雌蝶雄蝶の長柄を取って、橘活けた床の間の正面に、美少年....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
「はッ申上げまするでございまする。」 上段の十畳、一点の汚もない、月夜のような
青畳、紫縮緬ふッくりとある蒲団に、あたかもその雲に乗ったるがごとく、菫の中から抜....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
殿の長い長い廊下を幾曲り、ずっと奥まれる一と間に案内されました。室は十|畳許りの
青畳を敷きつめた日本間でございましたが、さりとて日本風の白木造りでもありませぬ。....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
っこの方にならべると女中の招じる部屋、つまり彼がどっかりあぐらをかいている六畳の
青畳の上へ近よった。 「はいってこんか」 私は真中の朱塗りの机の手前にちんまり....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
に合わせて、ゆるやかに輪を描いて舞うその小さな巫女を私は美しいと思った。彼の女は
青畳の上に俯すように身をかがめたり、また仰向きに反り身になったりして、鈴と扇とを....
「書記官」より 著者:川上眉山
れとや、極彩色の金屏風は、手を尽したる光琳が花鳥の盛上げ、あっぱれ座敷や高麗縁の
青畳に、玉を置くとも羞かしからぬ設けの席より、前は茶庭の十分なる侘びを見せて、目....
「おせん」より 著者:邦枝完二
のかな月の光で、漸く物のけじめがつきはするものの、ともすれば、入れ換えたばかりの
青畳の上にさえ、暗い影が斜めに曳かれて、じっと見詰めている眼先は、海のように深か....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
張った刹那、歌麿は右の手首に、刺すような疼痛を感じたが、忽ち黒い血潮がたらたらと
青畳を染めた。 「あッ」 さすがにおきたは、驚いて手を放した。 「飛んだことを....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
玄関の傍なるそれも六畳、長火鉢にかんかんと、大形の台洋燈がついてるので、あかりは
青畳の上を辷って、お若の冷たそうな、爪先が、そこにもちらちらと雪の散るよう、足袋....