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「青空〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青空の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
の晴れ上った午後、二十四五の女が一人、か細い男の子の手を引いたまま、引き窓越しに青空の見える堀越家の台所へ顔を出した。重吉は勿論家にいなかった。丁度ミシンをかけ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
杏の声を聞き流しながら、柘榴口を外へ勢いよくまたいで出た。外には、湯気の間に窓の青空が見え、その青空には暖かく日を浴びた柿が見える。馬琴は水槽《みずぶね》の前へ....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
時には大風が吹き起って、侍たちを乗せた黒犬は、きりりと尾を捲《ま》いたまま、遥な青空の上の方へ舞い上って行ってしまいました。 あとにはただ、侍たちの乗りすてた....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
た跡の、じくじくした赤土を残して、まだ、壁土を溶かしたような色をした水が、八月の青空を映しながら、とろりと動かずにたたえている。その水の中を、やせた毛の長い黒犬....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
あが》り」の両足を遠く空ざまに伸しながら、「二――」と再び喚いた時には、もう冬の青空を鮮《あざやか》に切りぬいて、楽々とその上に上《あが》っていた。この丹波先生....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
くる光がなんとも言えない暖かさをもらして、見上げると山は私の頭の上にもそびえて、青空の画室のスカイライトのように狭く限られているのが、ちょうど岩の間から深い淵《....
」より 著者:芥川竜之介
ドオム》のような、ただ一つの窓を残して、この獰猛《どうもう》な灰色の蜘蛛を真昼の青空から遮断《しゃだん》してしまった。が、蜘蛛は――産後の蜘蛛は、まっ白な広間の....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
寂しさは、この云いようのない寂しさは、一体どこから来るのであろう。――内蔵助は、青空に象嵌《ぞうがん》をしたような、堅く冷《つめた》い花を仰ぎながら、いつまでも....
」より 著者:芥川竜之介
だくだしく申し上るまでもございますまい。 「さてその内に豪雨《ごうう》もやんで、青空が雲間《くもま》に見え出しますと、恵印は鼻の大きいのも忘れたような顔色で、き....
仙人」より 著者:芥川竜之介
仙人になれました。」 権助は叮嚀《ていねい》に御時宜《おじぎ》をすると、静かに青空を踏みながら、だんだん高い雲の中へ昇って行ってしまいました。 医者夫婦はど....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
は泣き伏したぎり、いつまでたっても動こうとせぬ。その内に土人も散じてしまう。船は青空に紛《まぎ》れるばかりじゃ。おれは余りのいじらしさに、慰めてやりたいと思うた....
槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
びょうぶ》をめぐらしたようにつづいた上には浅黄繻子《あさぎじゅす》のように光った青空がある。青空には熱と光との暗影をもった、溶けそうな白い雲が銅をみがいたように....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
《そうしん》した人のように、ぼんやり二階の居間へ行って、日が暮れるまで、窓の外の青空ばかり眺めていました。その空にも気のせいか、時々あの忌わしい烏羽揚羽《うばあ....
初雪」より 著者:秋田滋
脣に押しあてた。 彼女は燕が幾羽となく飛び交っている、目映いばかりに照りはえた青空を見上げたり、遠くエストゥレル山塊の気まぐれな峯の姿を眺めたり、また近く足も....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
こばしたものは大きな美しい植物と、イタリイでかつて見たこともないようにすみ切った青空でありました。彼は街をずんずん歩いてゆきました。そしてもしか母親にあいはしな....