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青葉
「青葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
青葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、もの優しい潤いが、漂っているのでございます。それが祠の屋根へ枝をのばした、椎の
青葉の影を浴びて、あの女菩薩の旗竿を斜《ななめ》に肩へあてながら、しげしげ向うを....
「或る女」より 著者:有島武郎
のようだった。そうかと思うと左岸の崕《がけ》の上から広瀬川《ひろせがわ》を越えて
青葉山《あおばやま》をいちめんに見渡した仙台の景色がするすると開け渡った。夏の日....
「或る女」より 著者:有島武郎
ますます葉子の神経をいらだたせて、その病気にも影響した。そして花の五月が過ぎて、
青葉の六月になろうとするころには、葉子は痛ましくやせ細った、目ばかりどぎつい純然....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
厭だわ、私、地方へなんぞ行ってしまっては。」 主税は四辺を見たのであろう、闇の
青葉に帽子が動いた。 「直き帰って来るんですからね、心配しないで下さいよ。」 「....
「春昼」より 著者:泉鏡花
はござらぬ。かけかまいなしで、電話の仮声まじりか何かで、 (やあ、和尚さん、梅の
青葉から、湯気の中へ糸を引くのが、月影に光って見える、蜘蛛が下りた、) と大気....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
うむ、指環を抜いて。 侍女 そして、雪のようなお手の指を環に遊ばして、高い処で、
青葉の上で、虹の膚へ嵌めるようになさいますと、その指に空の色が透通りまして、紅い....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と五つばかり出して来ました。 薄お納戸の好い色で。」 二十七 「
青葉の影の射す処、白瀬戸の小鉢も結構な青磁の菓子器に装ったようで、志の美しさ。 ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
を開けられた鳥籠を見た。彼女の春がそこから逃げて行ってしまったのを感じた。彼女は
青葉を固く噛みしめながら、芝生の上に身を投げだしてしまった。彼女の瞳が涙よりも濡....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
った時、はっと足が出て、風が出て、婦人は軒を離れて出た。 小走りに急いで来る、
青葉の中に寄る浪のはらはらと爪尖白く、濃い黒髪の房やかな双の鬢、浅葱の紐に結び果....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た。 もう一つ爰の景色の中で特に私の眼を惹いたものは、向って右手の山の中腹に、
青葉がくれにちらちら見える一つの丹塗のお宮でございました。それはホンの三|尺四|....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
に参りました。 あの桜山と、桃谷と、菖蒲の池とある処で。 しかし、それはただ
青葉ばかりで、菖蒲の短いのがむらがってて、水の色の黒い時分、ここへも二日、三日続....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
武なる皇帝陛下を、うっとりとさせられることでござろう。」 「わたしのうたは、林の
青葉の中できいていただくのに、かぎるのですがね。」と、さよなきどりはいいました。....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
それがまた、両方の窓にからみついて、おたがいにおじぎをしあっていました。まあ花と
青葉でこしらえた、アーチのようなものでした。その箱は、高い所にありましたし、こど....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
も斉しく見たが、例よりは壁が高いと思うと、電燈がすッと消えた。 あわれな声で、
青葉しげれる桜井の、里のわたりの夕まぐれ、 と廊下で繃帯を巻きながら、唐糸の響....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
らく熱帯地方に住む人などの夢にも想い見ることの出来ない境だろう。それから水々しく
青葉に埋もれてゆく夏、東京あたりと変らない昼間の暑さ、眼を細めたい程涼しく暮れて....