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「青蠅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青蠅の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
の巻首を飾らせるに及んだ。蠅《はえ》といえば下らぬ者の上無しで、漢の班固をして、青蠅《せいよう》は肉汁を好んで溺《おぼ》れ死することを致す、と笑わしめた程の者で....
腐った蜉蝣」より 著者:蘭郁二郎
分の食器と、やっと暖かくなって来たかと思われるこの頃だのに、もうむくむくと肥った青蠅が、ぶーんと飛立つのが見られ、ひどく不潔な彼の生活が其処に投出されているかの....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
検事長の論告が終ると、法廷内ががやがやして来た。それはあたかも雲霞のような大きな青蠅の群が、その囚人がまもなくどうなるかということを見越して、彼の身辺に群ってい....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
近代の頽廃人には二種類ある。第一の種類に属するものは、極めて大胆で、死体に湧く青蠅のように物事にしつっこい。第二の種類に属するものは、極めて臆病で、糊の足らぬ....
上海」より 著者:横光利一
似をしながら、昇って来た。窓から見える鋪道の上で、豚の骨を舐めた少女の口の周囲に青蠅が一面髭のようにたかったまま動かなかった。トラックに乗った一団の英国軍楽隊が....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、とんがった搏風、 けちな市場、大根、菜っ葉、葱がある。 脂の乗った肉を啄きに、青蠅の寄る屠肉場がある。 いつでも、あなた、行って御覧なさるが好い。 きっと賑や....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
は人ひとりやっと通れるほど狭いのに、大きな芥箱《ごみばこ》が並んでいて、寒中でも青蠅《あおばえ》が翼《はね》を鳴《なら》し、昼中でも鼬《いたち》のような老鼠《ろ....