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「青雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

青雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
と思いますと、まるで一ひらの木《こ》の葉のように、見る見る黒犬は空へ舞い上って、青雲《あおぐも》の向うにかくれている、遠い生駒山の峰の方へ、真一文字に飛び始めま....
乱世」より 著者:菊池寛
赤報隊は、意気揚々として、桑名藩へ殺到しようとして、桑名城の南、安永村に進んで、青雲寺という寺に本営を敷いた。その夜である。鳥取藩と芸州藩の諸隊が、この青雲寺を....
自叙伝」より 著者:大杉栄
で、三男の父は一時お寺にはいって坊主になっていた。が、西南戦争が始まって、初めて青雲の志を抱いて、お寺を逃げ出して上京した。 そしてまず教導団にはいって、いっ....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ある。家内安寧の間取というやつだ。うん夫れから三八の間取が、即ち貴人に寵せられ、青雲に登るというやつだ。ええと夫れから九八の間取、九は艮で金気を含み、八は坤で土....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
不利な所がある。 庄司署長にした所で、当時は何と云っても三十を少し出た許りで、青雲の志に燃えている時だ。一体日本の教育は子供の時から猛烈な戦闘意識を養う事にな....
風流仏」より 著者:幸田露伴
き何々の制度|能々取調べ帰朝せば重く挙用らるべしとの事、室香に約束は違えど大丈夫青雲の志|此時伸べしと殊に血気の雀躍して喜び、米国より欧州に前後七年の長逗留、ア....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た店頭に、三人の影像が掲焉として、金縁の額になって顕われたのであるから。 ――青雲社、三大画伯、御写真―― よって釈然とした。紋の丸は、色も青麦である。小鳥....
死者の書」より 著者:折口信夫
彼岸中日、春分の空が、朝から晴れて、雲雀は天に翔り過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た。郎女は、九百九十九部を写し終えて、千部目にとりついて....
学生と生活」より 著者:倉田百三
一 学窓への愛と恋愛 学生はひとつの志を立てて、学びの道にいそしんでいるものである。まず青雲を望み見るこころと、学窓への愛がその衷になければならぬ。近時ジャーナリストの....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
時言った。私はもとよりそれは不服であった。だが君の気もちは解った。 君にはもう青雲の志に燃えてる私達を羨むような気はなかった。女子大学に入ろうとする昔の幼ない....
荘子」より 著者:岡本かの子
の変化に安じて委せる。これが本当の「道」であるべきだ。他の用いを望んで齷齪、白馬青雲を期することは本当の「道」を尋ねるものの道途を却って妨げる=だが、この考はま....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
い立てられて旅に出た次兵衛が、纔に温まった懐をおさえて、九州の青年の多くが、その青雲を志し成功を夢みて、奔流する水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささか....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
た小説の文学的位置を重くもし、世間の好奇心を一層|喚びもした。その頃までは青年の青雲の希望は政治に限られ、下宿屋から直ちに参議となって太政官に乗込もうというのが....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
さ渡る極み」などいう成句がある。これは「天の壁立つ極み、国の退き立つ限り」とか「青雲のたなびく極み、白雲の向伏す限り」とか、「船艫の至り留る極み、馬の爪の至り留....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
……わたしは、小学校は、馬道の浅草小学校へかよった。近所にいろ/\小川学校だの青雲学校だのといった代用学校があり、田原町、東仲町|界隈のものは、みんなそれらの....