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静まり返る
「静まり返る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
静まり返るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
反響が心細く継続《つなが》りながら消えて行く間、消えてから、すべての世界がしんと
静まり返るまで、長蔵さんと赤毛布と自分と三人が、暗闇《くらやみ》に鼻を突き合せて....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
軒の瓦が辷ったりする。その物すごさに一同が居たたまれずに逃げ出すと、又、間もなく
静まり返るので、打連れて本堂に引返してみると、こは如何に。今まで山のように積んで....
「学者と名誉」より 著者:夏目漱石
やしくもこの暗い中の一点が木村項の名で輝やき渡る以上、また他が依然として暗がりに
静まり返る以上、彼らが今まで所有していた公平の無感覚は、俄然《がぜん》として不公....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に、濡れたる星は愁わしげにまたたけば、幾千万の木葉はそよぎを収めて、死んだように
静まり返る。そしてわれらのうら寒い背をかすめて永遠の時間が足音を忍んでひそかに移....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。」 とまた念じて、静と心を沈めると、この功徳か、蚊の声が無くなって、寂として
静まり返る。 また余りの静さに、自分の身体が消えてしまいはせぬか、という懸念が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ひそめて、そのうたうだけを歌わせ、聞けるだけを聞いてやるという気になって、わざと
静まり返るようにもなっている。そこで、このごろでは、茂太郎は、その壇場を何人にも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
く、筆を前に置いて、こちらをお向きなさい」 程経てお松がこういうと、子供たちが
静まり返る。お松は自分も座について、 「手をよごしませんでしたか、さあこうして上....
「南さんの恋人」より 著者:豊島与志雄
先でメダカをつっついた。メダカはちょろちょろと、よろけるように泳いで、またじっと
静まり返る。またつっつく。またちょろちょろと泳ぐ……。 「なぜメダカばかりなんだ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
射にじっと甲羅を干しながら、頸を長く伸ばして四辺を眺め、やがてその頸をひっこめて
静まり返る時、その熱せられた甲羅の内側には、如何なる夢想がはぐくまれることであろ....
「ヒロシマの声」より 著者:豊島与志雄
る所に死体が横たわり、助けを呼ぶ重傷者の声が聞えた。その声も途絶えて、ひっそりと
静まり返ると、重傷者たちは思い思いに水を探した。喉の渇きが甚しかったのである。防....
「夢の卵」より 著者:豊島与志雄
は諦めて、番人を置いて谷川を見張らせました。けれどいつまでたってもその水が自然に
静まり返ることはありませんでした。 王子はその方はもう思い切って、今度は卵がか....
「白木蓮」より 著者:豊島与志雄
した眼が、それぞれ別々に私の眼の前に廻転する。そしてそれらが一つ所に中心を求めて
静まり返ると、彼女はもうそこに投げ出されてる一塊の肉体に過ぎなかった。 その肉....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
振い落したりした。駅逓馬車の車輪の音がもう聞えなくなってしまい、夜がまたすっかり
静まり返るまで、彼はひどく泥のはねかっている腕に手綱をかけたまま立っていたが、そ....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
了見の狭い者では有るまい」 謹聴謹聴の声が起る、やがて満堂は水をうったごとくに
静まり返る、彼は得意そうに説明を続ける。 「さて諸君、急速力に依って出来た外輪は....