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「静まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

静まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
り》の焼けるような空に、その山の巓《いただき》から、すくすくと雲が出た、滝の音も静まるばかり殷々《いんいん》として雷《らい》の響《ひびき》。 藻抜《もぬ》けの....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
いう分厚な本を取り上げると、また、あわてふためいて、帰っていった。 余は、胸の静まるのを待った。それから、十五分経った。これなら、もう客は帰ってこまいという自....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
雛の話声が聞える、と小児の時に聞いたのを、私は今も疑いたくない。 で、家中が寝静まると、何処か一ケ所、小屏風が、鶴の羽に桃を敷いて、すッと廻ろうも知れぬ。……....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
かり。」 十七 「話してる私も黙れば、聞いている人たちも、ぴったり静まる…… と遣手らしい三階の婆々の影が、蚊帳の前を真暗な空の高い処で見えなく....
赤外線男」より 著者:海野十三
それから、どうしたです」課長は尚も先を促した。 「それからです。室内の騒ぎが少し静まると、こんどは、壊れた戸口がガタガタと鳴りました。何だか廊下に跫音がして、そ....
出奔」より 著者:伊藤野枝
一時にかきまわされてときの声をあげて体中を荒れ狂うように思われた。だんだんそれが静まるにつれて考えは多く光郎と自分の上にうつっていった。そうして目はいつか姦通、....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
と前に見た身にも、珍らしく響いて、気をそそられ、胸が騒ぐ、ばったりまた激しいのが静まると、ツンツンテンレン、ツンツンテンレン、悠々とした糸が聞えて、……本所駅へ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
よ、烈しくなった池の波は、ざわざわとまた亀甲を聳てる。 といううちに、ふと風が静まると、広小路あたりの物音が渡って来て、颯と浮世に返ると、枯蓮の残ンの葉、折れ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
可いから、可いから。」といって、しばらくすると膝を立直した気勢がした。 「近所の静まるまで、もうちっと灯を点けないでおけよ。」 「へい。」 「覗くと煩いや。」 ....
化鳥」より 著者:泉鏡花
たっけ、小鳥は見つからなかった。烏が沢山居た。あれが、かあかあ鳴いて一しきりして静まるとその姿の見えなくなるのは、大方その翼で、日の光をかくしてしまうのでしょう....
」より 著者:井上紅梅
ます」 小栓は母親の言葉に従って咳嗽|入りながら睡った。 華大媽は彼の咳嗽の静まるのを待って、ツギハギの夜具をそのうえに掛けた。 三 店の....
多神教」より 著者:泉鏡花
一休みさっしゃるが可いぞ。 この言葉のうち、神楽の面々、踊の手を休め、従って囃子静まる。一連皆|素朴なる山家人、装束をつけず、面のみなり。――落葉散りしき、尾花....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、長さ二インチ、幅と厚さは各々〇・五インチである。これを磁極の間に吊して、振動の静まるのを待つ。そこで電池をつないで磁気を生じさせたから、ガラスの棒はすぐに動い....
式部小路」より 著者:泉鏡花
取られて、しばらく天井を視めていたそうだッけ。 (親分か、)と吹ッ切った。それで静まるのかと思うとそうでない。 (あン畜生、根生いの江戸ッ児の癖にしやがって、卑....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
対に勝った方が酒を飲む。しかし夜半ともなれば、南京町の灯も消え、家人もようやく寝静まる。そんなころを見はからって私はそっと起き出してかめの中のしゃくに手をかける....