静思[語句情報] » 静思

「静思〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

静思の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
やったことがある。広い海を控え雲の往来の絶え間ない山があった。こういう自然の間に静思して考えを纏《まと》めようということなど、彼には今までについぞなかったことだ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
端からは、氷柱が長く垂れ下り、町を流れている小川へは氷が厚く張り詰めた。 冬は静思の季節である。 教団にとっては反対であった。 疑惑、不安、不信、動揺、そ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
まい、今は唯石刻の奪衣婆ばかり片膝立てゝ凄い顔をして居る。頬杖をついて居る幾基の静思菩薩、一隅にずらりと並んだにこ/\顔の六地蔵や、春秋の彼岸に紅いべゝを子を亡....
弟子」より 著者:中島敦
は手の習練ではない。もっと深く考えねばならぬ。彼は一室に閉《と》じ籠《こも》り、静思して喰《くら》わず、もって骨立《こつりつ》するに至った。数日の後、ようやく思....
新たなプロレタリア文学」より 著者:宮本百合子
。まず第一にこれがアレゴリーの性質とブツかる。 第二に、アレゴリーは、静的だ。静思的だ。それだから、たとえそれが反抗的な要素によってつくられていても、直接に、....
地球要塞」より 著者:海野十三
であった。 この間に立って、私は、何をしたらいいのであろうか。 私は、しばし静思をしたが、そのとき忽然《こつぜん》として、脳底にうかび上ったのは、祖国日本の....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
磁作りの古風なもので、彼はそれでもって初冬の太陽から水の滴りのような「孤寒」と「静思」とをそっと汲み取るのである。 渡鳥は毎日のように寒空を横切って、思い思い....
田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
索にある節制を加えることを工夫している。神学者にでも言わせようものなら、「生産的静思」なんぞと云うだろう。そう云う態度に自身を置くことが出来るように、この男は修....
社会時評」より 著者:戸坂潤
下御誕生の奉祝記念事業として、都下の小学生七十五万人と中等学校生徒十三万人とをば静思修養させるための純日本式設計になる寄宿寮「小国民精神殿堂」の「静思修養道場」....
婦人と思想」より 著者:与謝野晶子
自足飽満の悦びがある。他人に発表せずとも十分に目的を果し得るものである。冥想とか静思とかの楽みを知っている人の一生は非常に幸福だと思う。またちょっとした事でも真....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
歴すること約一年に及んだ。その中六ヶ月はマウント・アソスの希臘僧院で暮らし、専ら静思休養につとめた。後その司配霊イムペレエタアの告ぐる所によれば、同僧院にモーゼ....
源氏物語」より 著者:紫式部
ろとこぼれるのを、今日は祝いの式ではないかと恥じてお隠しになり『五十八|翁方有後静思堪喜亦堪嗟』とお歌いになった。五十八から十を引いたお年なのであるが、もう晩年....
自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
追いまわすと云うことは、あまりに自然の命ずるままのいたずらだ」 ホームズは彼の静思の時の、パイプを取り上げながら云った。 「寂しい田舎道までを、自転車などに乗....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
向けに横たわっていた。三十恰好で大して美しくはないけれども、その平和な死顔には、静思とでも云いたい、厳かなものが漂っているように思われた。それに、未だ硬直がなく....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
のうございます。……では、これから早速に香聴きにかかりますが、これはいかようにも静思を要する仕事。一刻ほどのあいだ、この界隈で物音をお立てなさらぬよう、静謐《せ....