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非売
「非売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
非売の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
を受け取ると、丹念《たんねん》に奥附《おくづけ》を検《しら》べ出した。「この本は
非売品と書いてありますね。
非売品でも金になりますか?」自分は情《なさけ》ない心も....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
硯を突《つ》きつける。いくらだと聞くと、持主が支那《しな》から持って帰って来て是
非売りたいと云いますから、お安くして三十円にしておきましょうと云う。この男は馬鹿....
「木魂」より 著者:夢野久作
程驚ろかされたものであった。 それは旧|露西亜のモスコー大学に属する心霊学界の
非売雑誌に発表された新学説の抄訳紹介で「自分の魂に呼びかけられる実例」と題する論....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
或る書物を注文したらまもなく手紙をよこして、その本はアメリカの某博物館で出版した
非売品であるが、御希望ゆえさし上げるように同博物館へ掛け合ってやったからまもなく....
「一坪館」より 著者:海野十三
一枚買っていけよ」 「あんなことをいっているよ。ぼくだって金はあまり……この画は
非売品だよ。売らない画なんだ。見たまえ、ねだんの札がついていないじゃないか」 「....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
よびかけた。 「配給品以外にはないようです。お気の毒さま」 「じゃその配給品を是
非売って下さい。このとおり両手を合わせて頼みます。僕はいいのだ。しかし妻が可哀そ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
磯谷額椽屋の処はわかっているか。 一寸思い出したが、瀧山氏へやる静物は、やはり
非売として置いたらどうか。それともたきのやへ、くわしく電話で話しをしてくれるか、....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
馬家に二個、ほかに中村屋の分として一号より二十五号までナンバーを裏面に打ちこみ、
非売品として喫茶部に備えたのでしたが、いつのまにか一個減り二個減りして、現在は十....
「雁」より 著者:森鴎外
たら、先生の書いた洋行案内をくれたよ」 「はあ。そんな本があるかねえ」 「うん。
非売品だ。椋鳥連中に配るのだそうだ」 こんな話をしているうちに、時計を見れば、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は図書館で実物を見てるんです。近年でたばかりで、定価五銭と印刷してあったかしら。
非売品となってましたかしら」 彼は泣きそうになって、 「二十年ぐらい前に、そん....