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非運
「非運〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
非運の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
、ダルガスのごとき「智《さと》き愚人」がおりませんならば、不幸一歩を誤りて戦敗の
非運に遭いまするならば、その国はそのときたちまちにして亡びてしまうのであります。....
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
き雑記帳それぞれにくしゃくしゃ満載、みんな君への楽しきお土産《みやげ》、けれども
非運、関税のべら棒に高くて、あたら無数の宝物、お役所の、青ペンキで塗りつぶされた....
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
初めていると、思わず涙が逆上《こみあ》げてきた。桂正作は武士の子、今や彼が一家は
非運の底にあれど、ようするに彼は紳士の子、それが下等社会といっしょに一膳《いちぜ....
「蒼穹」より 著者:梶井基次郎
る野山には静かな懶《ものう》さばかりが感じられた。そして雲はなにかそうした安逸の
非運を悲しんでいるかのように思われるのだった。 私は眼を溪《たに》の方の眺めへ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
り街頭に見掛けるのであった。 さてこうして、聖アレキセイ寺院の名が、白系露人の
非運と敗北の象徴に過ぎなくなり、いつかの日彼等の薔薇色であった円蓋の上には、政治....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
時、基次「大阪方の運開け関東危しとならば、また考えようがある。只今のように大阪方
非運の場合、左様の事は思いも及ばない。さるにても、自分は、唐まで聞えた秀吉公の御....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
せしため跡部長坂の小人を愛し武功の老臣を斥け給い、無謀の軍を起こされし果て今日の
非運を見給うはまことに無残の限りであると、ちょっと首級桶を戴いてホロリと一滴こぼ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
一 風の悪戯《いたずら》
一八二三年以来、モンフェルメイュの宿屋はしだいに
非運に傾いて、破産の淵《ふち》へというほどではないが、多くの小さな負債の泥水《ど....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
生れてはじめて海戦というものを目撃した――そのわれわれに、誰が、一週間後になって
非運が訪れようと信じられたでしょうか。 それは、忘れもしない六月二日の朝、濃霧....
「瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
》あることなく、理にも非にもただ徳川家の主公あるを知《しり》て他を見ず、いかなる
非運に際して辛苦《しんく》を嘗《なむ》るもかつて落胆《らくたん》することなく、家....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
レイ自身はなにも気づかない。彼と侍史の間には暖かい親交が続いていった。再び、彼は
非運の犠牲となったのである。青年時代の希望はエセックスにたたきつけられた。そして....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
て社会党再建闘争に乗り出したのであるが、その成熟しない中に本年一月の大会で分裂の
非運に遭遇したのであるが、日本勤労階級の社会党統一の要求は四月大会に於てその統一....
「三国志」より 著者:吉川英治
にはいられなかった。あれから袁一門の部族からこもごも奇襲をうけて、敗亡また敗亡の
非運をつづけていた。――食糧と財がなければ、兵はみな馬や武器を盗んで、 「今が見....
「紅梅の客」より 著者:吉川英治
、薄命な身上をなぐさめあっていたという。それほどに、およねちゃんの以後の生い立も
非運な経路であったものらしい。 だからもとよりこれというほどな教養のあるひとで....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
ことではない。ひとたび、悪い世代に宿命づけられた人間の子たちの悲運は、果てなく、
非運非命につながり、これが、社会悪の雑草に、はびこッて行く。 「たとえば……です....