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面伏せ
「面伏せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面伏せの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「喝采」より 著者:太宰治
こへ置いて行く、トマト、いやだろう、風呂敷かえせ、とてれくさがって不機嫌になり、
面伏せたまま、私の二階の部屋へ、どんどん足音たかくあがっていって、私も、すこしむ....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
わしていたりして、広くもない座に多勢の人間がいるのが、私には自分の年配を考えて、
面伏せであったり遠慮であったりした。そして、近づきのない京都三界に来て、そうした....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
で消えると、路地口で間抜けた自動車の警笛が鳴っていた。
(二月×日)
二人共
面伏せな気持ちで御飯をたべた。
「この頃は少しなまけているから、あなたは梯子段を....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
にとって容易ならない打撃であった。世継ぎの若君が変死したとあっては、上に対しても
面伏せである。 「何者の所業! どうして殺したのか?」 「突き傷もなければ切り傷....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
愛を感じている相手だっただけに、突然近付いて話しかけることが、彼女のような女にも
面伏せであり、そこでただ彼女は主税の行く方へ、後から従いて行くばかりであった。そ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
んな姿を――抜身をひっさげているこんな姿を、こんなところで見られるということが、
面伏せに思われたからであった。 しかし直ぐに思い返し、苦笑いをして足を止めた。....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
しい男の声が消ると、露路口で間抜けた自動車の警笛が鳴った。 二月×日 二人共
面伏せな気持ちで御飯をたべた。 「此頃は少しなまけているから、梯子段を拭いてね、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
思案顔に落ちるのを、法師は、じっと見すましている。 やがて、女房は筆をおいて、
面伏せに、旅法師の手へ、まだ乾かぬ墨のあとを、そっと捧げた。 「どれや、拝見」 ....