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面壁
「面壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
きる悪徳も、少い。臥竜《がりょう》。おれは、考えることをしている。ひるあんどん。
面壁九年。さらに想を練り、案を構え。雌伏《しふく》。賢者のまさに動かんとするや、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
インドから唐土に渡って、河南のほとり崇山に庵室《あんしつ》をいとなみながら、よく
面壁九年の座禅修業を行ないつづけたと伝えられている、あの達磨禅師をかたどった紋様....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
と、入れ違いに、平野屋茂吉が吉良の前にすわった。 「驚きました。達磨《だるま》は
面壁《めんぺき》、殿様|肝癖《かんぺき》――。」 つるりと顔を撫でて、平伏しな....
「饑餓陣営」より 著者:宮沢賢治
い 胃時計《ストマクウオッチ》はもう十時なのに バナナン大将は帰らない。」 正
面壁に沿い左向き足踏《あしぶ》み。 (銅鑼《どら》の音) 左手より、特務曹長|並....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
反対側の、東側の赤煉瓦塀に向って演説をしているところで御座います。
「……達摩は
面壁九年にして、少林の熊耳と云われました。故に吾人は九年間
面壁して弁論を練り、糊....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
宗坊主が寄附を頼みに来ると法螺丸曰く、 「禅宗は仏教のエキスみたいなものですな。
面壁九年といって、釈迦一代の説法、各宗の精髄どころを達磨という蒸溜器に容れて煎じ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のものじゃないよ。斬るか、斬られるか、真剣抜打の応酬なくんばあるべからざる処を、
面壁九年、無言の行だ。――どうだい、御前、この殿様。」 「お止しよ、その御前、殿....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
もねえ老夫でせえ、つまらねえこったと思って、気が滅入るに、お前様は、えらい女だ。
面壁イ九年とやら、悟ったものだと我あ折っていたんだがさ、薬袋もないことが湧いて来....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
が切れて飛びそうだ。つめたいのか痛いのかちょっと感覚の判断に迷う。 ボウイが正
面壁間の黒板へ何か書き出す。みなの眼が白墨へあつまる。NOW OVER と上にぺ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ア人の誇示的|輪奐美とをびざんてん風に模細工した。そして、香気と名流と大飾灯と八
面壁画とに、帝室アルバアト歌劇場のように天井の高いこの「機会の市場」だ。緑いろの....
「「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
、その結晶的純粋さと硬度とを以て自己を磨くことが、至極の修練となるわけであろう。
面壁三年の例は云うまでもなく、沈黙的修業が如何に仏道に周く採用されてるかは、人の....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
奴はいないよ。三方損の運命に、甘んじるべきや、否や、これ実に、小生一生の大問題、
面壁九年の一大事であったです。しかし、
面壁、一週間足らずで、解決したね。三方損。....
「(私はさきごろ)」より 著者:高村光太郎
に役立つものでしかなかった。彼は法王庁カペラ シスチナの天井に旧訳聖書を画き、正
面壁画に最後の審判を画きながら、ただひたすら人間造型の美を究めようとした。自然の....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
もせず、いかにも達磨さんめいたくりくりした眼で、ケラケラと笑っていた。 「達磨は
面壁九年やけど、私は三年の辛抱で済むのや。」 三年経てば、妹の道子は東京の女子....
「文明教育論」より 著者:福沢諭吉
賦に備わりて偶然に発起するものなりといえども、智恵は然らず。人学ばざれば智なし。
面壁九年能く道徳の蘊奥《うんおう》を究むべしといえども、たとえ
面壁九万年に及ぶも....