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面妖
「面妖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面妖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
三
宇治大納言隆国《うじだいなごんたかくに》「なるほどこれは
面妖《めんよう》な話じゃ。昔はあの猿沢池《さるさわのいけ》にも、竜が棲《す》んで....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
い威厳を失わないで)一向聞きませぬな。 弥五七 噂の本尊のそなた様が知らぬとは、
面妖な。 千寿 藤様にはいわぬがよいわいな。 弥五七 いわいでも、いつかは知れる....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
と、きまりも悪し、もじもじ聞くとの。
(いんね、川のでございます。)という、はて
面妖《めんよう》なと思った。
(山したの方には大分|流行病《はやりやまい》がござ....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
を置いて、これはこれはと呆れもし、鳥居峠の天狗さえ、鼻うごめいて笑うという、この
面妖な旗印、六尺豊かの高さに掲げ、臆面もなく白昼を振りかざして痴けの沙汰。夜のと....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
事務長がそのトランクをさげてみると、なるほど空のトランクのように軽い。 「はて、
面妖な。あれだけ重い道具を入れて、こんなに軽いとは、まるで手品みたいだ。お客さん....
「流線間諜」より 著者:海野十三
ガラガラと硝子の壊れ落ちる響がしたと思うと、途端に赤い光線がサッと滅した。そして
面妖にも、青色の極東を中心とする大地図が消え失せて、あとには始めにみた花鳥の図が....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
」 「で、何かい」と、また岡八「四人までも切った侍が、其まま解らずに消えたのが、
面妖だっていうのかい?」 「それからどうして染吉が、燈心の火が消えるように、衰死....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
承引した。氏長者の依頼であろうとポンポン断る信輔が、こう早速に引き受けたのはハテ
面妖というべきであるが、そこには蓋もあれば底もあり、実は信輔この吉備彦に借金をし....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
いたいところです。使いに出した者が途中で煙のように消えてしまうのですから、これは
面妖な話。 ところが其の後だんだん調べてみると、少しずつ判って来ました。そして....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
かえ?」 「へえ、いかにも二百両で……」 「革の財布に入れたままで?」 「こりゃ
面妖だ。こいつア不思議だ!」 「女を買うもいいけれど、夜鷹だけは止めたがいいね」....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
た。 「ところが水音なんか聞こえませんでしたよ。……天に昇ったか地にくぐったか、
面妖な話ったらありゃアしない」 「主馬!」と頼母は決心したように云った。 「主税....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
、申し出る機会がないとのこと、再三金三郎よりの消息でござる」 「しかしそいつは些
面妖、疑わしい点でござりますなあ。これが一年や半年なれば、そう諦らめても居られま....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
…そうしてどこへ上ったのかな?」 「楼か、楼は、ええと笹屋だ」 「へえ、こいつは
面妖だな。俺らの上ったのも笹屋だが、お前さんの噂は聞かなかったぜ」 「はてな、そ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
だろうと思っていた。舞台へ上がる柄じゃアない」
「ところがこれが大切な役で」
「
面妖だね。なぜだろうね」
「へい、お客様を笑わせます」
「悪ふざけをしてくすぐる....
「髷」より 著者:上村松園
侍大将と見れば雑兵のごときところあり、雑兵かとみれば錦のひたたれを着して候――と
面妖気に言ったあの言葉を憶い出して苦笑を禁じ得ないのである。 以前は若い女性は....