面子[語句情報] » 面子

「面子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

面子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
る筈の彼の心は、いつの間にか掻き乱されているのを感ぜずには居られなかった。四人の面子が坐っている筈の麻雀卓から、一人が立って便所に行ったりすることは、よくあるこ....
縮図」より 著者:徳田秋声
チビが、いつの間にか一人前の姐さんになりすまし、あんなのがと思うようなしっちゃか面子が、灰汁がぬけると見違えるような意気な芸者になったりするかと思うと、十八にも....
心臓盗難」より 著者:海野十三
れもしないことについて喋らないでもいいでしょう。当局には当局で、お考えもありまた面子もあるのでしょう」 「あんたは、烏啼が本当に安東の心臓を盗んだと思っているの....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
ように乾枯らびて行くように感ぜられるに至ったので、遂に彼は一大決心をして、従来の面子を捨て、忍ぶべからざるを忍び、面の皮を千枚張りにして、彼が永い間ひそかに尊敬....
呉清源」より 著者:坂口安吾
勝てる筈はない。アッサリ打棄られたが、私のヘボ碁には出来すぎた碁で、黒白童子や覆面子を感心させ、呉氏もほめていたそうだ。 この時も、然し、私は驚いた。私が呉氏....
行雲流水」より 著者:坂口安吾
」 「これは、ちかごろ、勇ましいことをきいたものだ。武士は額の傷を恥じる。支那で面子というな。顔が立つ立たないとは昔からきいているが、当世の女流はお尻で顔を立て....
巷談師」より 著者:坂口安吾
というのは、よろず勝負ごとを見物して、観戦記をかく商売である。これに似たのに、覆面子とか北斗星とかノレンの古い老練家がいるが、彼らは私とちがって、ダテや酔狂(ヤ....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
者を送ってよこしたが、こうなると支社と本社の記者同士で功名を争う気持になるから、面子にかけてもという気魄だけが悲愴になりすぎて毎日酒をのまずにいられない気持だ。....
もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
は日本だけだということ、そしてその憲法が人から与えられ強いられたものであるという面子に拘泥さえしなければどの国よりも先にキツネを落す機会にめぐまれているのも日本....
九段」より 著者:坂口安吾
に行方不明で夜十二時に至るまでモミヂへ来着しなかったから、呉清源係りの多賀谷前覆面子は食事が文字通り一粒もノドへ通らないのである。本因坊と私とが一パイのんでいる....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
どは、セルゲイと言葉もかわさず眼も見かわさず、ただその傍を歩いていった。そこまで面子をつぶされながら、それでも彼女は気位だけは持ちつづけてセルゲイとの間にはじめ....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
ビリと椅子へ腰をかけた。 禿頭病といえば、かなりウルサイ病気で、わけても風采や面子を気にする性格者にとっては致命的に苦痛の病気の筈だのにそれにかかった本人がノ....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
ってなされた聖徳太子様の外交は、硬軟自在であり、我国の威厳を昂むると共に相手国の面子をも保たしめた聖君子的外交で在したのであって、この理想的外交の結果、日本と隋....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
黄土、丹、群青、胡粉、緑青等に少量の墨を交ぜて描いた画である。そればかりでなく泥面子や古煉瓦の破片を砕いて溶かして絵具とし、枯木の枝を折って筆とした事もあった。....
四十年前」より 著者:内田魯庵
ざる侮辱を某の貴夫人に加えたという奇怪な風説が忽ち帝都を騒がした。続いて新聞の三面子は仔細ありげな報道を伝えた。この夜、猿芝居が終って賓客が散じた頃、鹿鳴館の方....