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面持ち
「面持ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
面持ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
銘たしかに六十ばかりの身分ありげなお侍だったといったものでしたから、右門は意外な
面持ちで、ややしばらく考えておりました。 しかし、考えていたのはほんのしばしで....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
者に向かってしばし黙礼を与えていたようでしたが、そのままなにごともなかったような
面持ちで、さっさと八丁堀へ引き揚げてしまいました。 6 さて、引き揚....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ろぽろとやっていましたが、右門はべつにほめられるほどがものでもないといったような
面持ちで、さっさと八丁堀《はっちょうぼり》のほうへ引き揚げていきました。 ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
寄りはござりませぬ…」 「ほう、ないとな」 ややめんどうになったなといいたげな
面持ちで、しばらく右門はうち案じていましたが、まもなく質問の矢向きを変えて、また....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
、たしかに見えない。早く傍まで行ってみよう」 ワーナー博士たちは不審にたえない
面持ちで、ウラル号を現場へ急がせた。 現場に到着して発見したものは、潜水服に身....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ない。もっともおはまは、出立という前の夜に、省作の居間にはいってきて、一心こめた
面持ちに、 「省さんが東京へ行くならぜひわたしも一緒に東京へ連れていってください....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
であった。 三頭目の斃牛を化製所の人夫に渡してしまってから、妻は不安にたえない
面持ちで、 「こう間の悪いことばかり続くというのはどういうもんでしょう。そういう....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
れ目に母親の美貌の鮮かさが伝っているのがはっきり観て取れた。 夫人は心安からぬ
面持ちを続けながら、 「なにしろわざと大学へは入学をおくらせて、ただぶらぶら遊ん....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
にあるのだから、こうなっては、辞去することもできないのである。一行は途方にくれた
面持ちをしていると、親切な老院長が、一晩泊っておいでなさいとすすめてくれた。そし....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
的に眼を通した。が、その間も勿論あの小娘が、あたかも卑俗な現実を人間にしたような
面持ちで、私の前に坐っている事を絶えず意識せずにはいられなかった。この隧道の中の....
「光は影を」より 著者:岸田国士
います」 と、すこし膝をずらして、丁寧に畳に手をついた洋装の娘を、彼は、意外な
面持ちで眺めながら、 「さあ、楽にしてください。百瀬君から話は伺つています。難問....
「髪」より 著者:織田作之助
日のことであった。私は市電に乗っている彼の姿を見た。彼は国民服を着て、何か不安な
面持ちで週刊雑誌を読んでいた。そしてふと顔を上げて、私を見ると、あわてて視線を外....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
座敷すなわち凶行の演ぜられた室に、寝床を敷いてもらいました。人々はいずれも意外な
面持ちを致しました。寝ころんでいた白痴留吉は、沢山の人の集まったのに多少興奮した....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
ら、そこをよく理解して頂きたいと申されるんですよ」 彼は、云いようのない悲痛な
面持ちをして、じいと腕を組んで考え込んでいる。 「いかがでしょうかね」と私は彼の....
「田螺」より 著者:北大路魯山人
っている私の口に、たにしの幾粒かが投げ入れられた。看護の者は眉をひそめ、不安気な
面持ちで成り行きを見つめていた。 するとどうしたことか、ふしぎなことに、たにし....