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靴紐
「靴紐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
靴紐の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
てかず》のかかる編上《あみあげ》を穿《は》いていたのですが、――私がこごんでその
靴紐《くつひも》を解いているうち、Kの部屋では誰の声もしませんでした。私は変に思....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
「俺も行くよ。」 「俺も行く。」 彼等は、泥棒をやる時の愉快さを知っていた。
靴紐を結ばずに、靴の中へなでこんだ。十四人が、汗のにじんだ手拭をさげ、石鹸は一ツ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
りへかけての旦那衆には、親爺の靴に限るという向きもあって、註文は多いのであった。
靴紐や靴墨、刷毛が店頭の前通りに駢び、棚に製品がぱらりと飾ってあったが、父親はま....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
って、ずらりと大道商人が肩と肩と並べている。新聞雑誌の売店《キオスク》、煙草屋、
靴紐と靴クリーム、乾酪《バタ》屋、三文玩具や、糖菓《コンフェクト》、蜜柑屋《マン....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
業から教会へ引退したばかりの肉屋のような、フロック・コウトの肩に赭ら顔を載せて、
靴紐で鼻眼鏡を吊ってるお爺さんこそは、言うまでもなく密偵に決まっています。実際、....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
。 「パイプと云うものは実際途法もなく趣味のあるものだからね。――まず懐中時計と
靴紐とをぬかすとこのくらい個々の特異性を持ってるものはないだろう。けれど今の場合....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
、またシェフィールドとバアミンガムの多数の労働者は、靴の締金と金属ボタンの代りに
靴紐と蔽いボタンが用いられたために一時失業させられた。我国の工業は全体としては著....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
を奪われた丈けで生命には別条なかった。マアサは、靴下一つの殆んど裸体にされた上、
靴紐で背《うし》ろ手に緊縛されたまま、外套を被って往来へ転げ出たところを、通行人....