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鞍馬
「鞍馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鞍馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ったのでございましょう。が、天狗ならば一矢に射てとって見せるとか申して、わざわざ
鞍馬の奥から参りました猟師も、例の諸天童子の剣《つるぎ》にでも打たれたのか、急に....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
《はやて》のような怖ろしい勢いで、山じゅうの桜を一度に落とそうとするらしかった。
鞍馬の天狗倒しがここまで吹き寄せかとも思われて、座敷じゅうの笑い声は俄にやんだ。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
天狗は往来を睨みながら、口には火焔を吐いていた。彼らは京に育って、子供のときから
鞍馬や愛宕《あたご》の天狗の話を聞かされているので、それに対する恐怖はまた一層で....
「食魔」より 著者:岡本かの子
すでに漁り騒いでいる。むこうの土手では摘草の一家族が水ぎわまでも摘み下りている。
鞍馬へ岐れ路の堤の辺には日傘をさした人影も増えている。境遇に負けて人臆れのする少....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
新)滝を見物せり、なかなか気持よきところなり、王滝村にて昼食をなし十二時出発木曾
鞍馬橋を渡る。風景絶佳なり。橋の下百尺くらいのところに川あり、両岸絶壁をなし、他....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
社雑事記』) 此の宗全の死も、降服も訛伝であった。併し此の年の三月十九日には、
鞍馬|毘沙門の化身と世人に畏怖せられて居た宗全も、本当に陣中に急逝したのである。....
「牛若と弁慶」より 著者:楠山正雄
を飲んでいるので、おかあさんのそばにいることを許されましたが、これも七つになると
鞍馬山のお寺へやられました。 そのうち牛若はだんだん物がわかって来ました。おと....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
入道して念和尚と名を改め、諸国を行脚して剣を伝えて歩いたが、行く先々で鎌倉念流、
鞍馬念流、奥山念流なぞと諸国に念流を残し、最後に信州伊奈の浪合に一寺を造って定着....
「俊寛」より 著者:倉田百三
ら、女や幼い者さえも免れることができなかったでしょう。奥方は若君と姫君とを伴うて
鞍馬の奥に身をお隠しなされました。深いご恩をこうむっている数多くの郎党は自分の身....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
りました。 夕風が立って来たか、青簾はゆらゆら揺れます。打水した庭にくろずんだ
鞍馬石が配置よく置き据えられ、それには楚々とした若竹が、一々、植え添えてあります....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
瑠璃、勝手次第という処を、囃子に合わせて謡が聞える。 使は来たり馬 に鞍、
鞍馬の山のうず桜…… 「牛若の仮装ででも出ますかね、私は大の贔屓です。」 恥ず....
「迷信解」より 著者:井上円了
流行したものと見ゆ。そのうちにて世間によく知られている話は、源義経が幼少のころ、
鞍馬山に入りて僧正坊と申す天狗に遇い、剣術を授かりたりといえる怪談である。このほ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
踏むことになった。それは歌舞伎座の正月興行で、かれは帰り新参のお目見得として、「
鞍馬山」のだんまりに牛若丸をつとめ、養父菊五郎が木の葉天狗実は天明太郎に扮した。....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
それがあるのが面白い。 しかし護法祈は美作の山間ばかりではない。京都に遠からぬ
鞍馬にも、今にそれが伝えられているのである。もっとも
鞍馬は京都に近い所だとは云え....
「六日月」より 著者:岩本素白
朝早く一乗寺村を歩いて、それから秋晴の八瀬大原、帰りに
鞍馬へ登って山端の駅まで戻って来ると、折から小春日の夕日を受けた叡山が、ぽか/\....