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「鞘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鞘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
その小屋の前に、腕を組んでたたずんだ、十七八の若侍で、これは、朽ち葉色の水干に黒《くろざや》の太刀《たち》を横たえたのが、どういうわけか、しさいらしく、小屋の....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
みついたのとが、ほとんど同時でございます。するとほかの盗人たちも、てんでに太刀をにおさめて、まるで蝗《いなむし》か何かのように、四方から平太夫へ躍りかかりまし....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
た。彼等は静かに行長のいる翠金の帳へ近づこうとした。すると行長の宝剣はおのずから《さや》を離れるが早いか、ちょうど翼《つばさ》の生えたように金将軍《きんしょう....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
うせ死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた聖柄《ひじりづか》の太刀《たち》が走《さやばし》らないように気をつけながら、藁草履《わらぞうり》をはいた足を、そ....
或る女」より 著者:有島武郎
と憤怒《ふんぬ》とでまっ黒になって帰って来た時、それを思うままあやつってまた元のに納めて見せよう。そう思って葉子は木村のいうままに任せて置いた。 次の朝、木....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
そ》をからげて砲兵の古靴《ふるぐつ》をはいている様子は小作人というよりも雑穀屋の取《さやと》りだった。 戸を開けて外に出ると事務所のボンボン時計が六時を打っ....
星座」より 著者:有島武郎
婚のことを考えているらしい。昨日も浅田という元|孵化場《ふかじょう》で同僚だった取《さやとり》のような男が札幌から来て、長いこと話していった。お母さんが立ち聴....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
た所は、殿様のように見えるだろう。 第一の盗人 この剣も大した物だぜ。何しろ柄もも黄金だからな。――しかしああやすやす欺されるとは、あの王子も大莫迦じゃないか....
天守物語」より 著者:泉鏡花
衝と翳すとともに、美丈夫、秀でたる眉に勇壮の気満つ。黒羽二重の紋着、萌黄の袴、臘の大小にて、姫川|図書之助登場。唄をききつつ低徊し、天井を仰ぎ、廻廊を窺い、や....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
した。 公子 よい相手だ、戦闘は観ものであろう。――皆は休むが可い。 騎士 槍はに納めますまい、このまま御門を堅めまするわ。 公子 さまでにせずとも大事ない、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
って革鞄を切開く事なのです。……私は拒みません。刀ものは持合せました、と云って、をパチンと抜いて渡したのを、あせって震える手に取って、慳相な女親が革鞄の口を切....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
分、床の間をがたりと遣ると、何か提げた、その一腰、片手に洋燈を翳したので、黒塗のが、袖をせめて、つらりと光った。 「危い、貴郎、」 「大丈夫だ。」 「いいえ、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
難儀を脱れ得たのは、矢張りあの御神剣のお蔭だったそうで、燃ゆる火の中で命がその御を払われると同時に、風向きが急に変ったのだと申すことでございます。右の御神剣と....
元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
らもとに立って奥様の御守刀で心臓を刺し通したので大変驚き「汝逃すものか」と長刀のをはずして広庭までおって居らっしゃったけれ共前からぬけ道を作って置いて行方知れ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
この溝の前にしゃがんだまま、長い釣竿をのばしていた。すると誰か叔父の刀にぴしりと当てをしかけた者があった。叔父は勿論むっとして肩越しに相手を振返ってみた。僕の....