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音
「音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》にか前の背むしの顔になっている。
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横から見た観
音堂《かんのんどう》。少年はその下を歩いて行《ゆ》く。観
音堂の上には三日月《みか....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
き》りに行く時でも、仕事の合い間合い間には、腰にさしている笛を出して、独りでその
音《ね》を楽しんでいました。するとまた不思議なことには、どんな鳥獣《とりけもの》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
のがあっても、それは、かすかに漂《ただよ》っている墨の匂《におい》を動かすほどの
音さえ立てない。
内蔵助《くらのすけ》は、ふと眼を三国誌からはなして、遠い所を....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
、色の浅黒い好男子なのです。新婚の二人は幸福に山の手の邸宅に暮している。一しょに
音楽会へ出かけることもある。銀座通りを散歩することもある。………
主筆 勿論|....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
めていると言った。実際その通りに違いない。彼はただ常子と一しょに飯を食ったり、蓄
音機《ちくおんき》をかけたり、活動写真を見に行ったり、――あらゆる北京中《ペキン....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
に声をかけていた。けれども生憎《あいにく》その声も絶え間《ま》のない浪《なみ》の
音のためにはっきり僕の耳へはいらなかった。
「どうしたんだ?」
僕のこう尋ねた....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
にあった箒をふり上げました。 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く
音が、突然荒々しく聞え始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、....
「狂女」より 著者:秋田滋
来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。折しも僕は重々しい律動的な跫
音をきいた。普魯西の軍隊が来たのだ。そして僕は窓から彼等の歩いてゆく姿を眺めてい....
「墓」より 著者:秋田滋
と、まもなく、マランヴェール路の方角にあたって、幽かな灯影が見えた。抜足差足、跫
音を忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめるような冒涜行為を目....
「初雪」より 著者:秋田滋
になってしまい、野はいちめんの泥海と化した。聞えるのは、ただどうどうと落ちる雨の
音ばかり。眼に見えるものと云っては、渦を巻いて飛んでいる鴉の群だけである。その鴉....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、幾度か昔救われたることを述べ、予が労れをいたわりて馳走かぎりなし。翌日は先ず観
音へ案内し、次の日は上野と、三四日して「さてこれよりよき学校を聞き合せ申すべし、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
するのである。この外にもマグラース等六・七人の同志が集って、語学の稽古をして、発
音を正したりなどした。 一方において、王立協会で教授が講義をするのを聴いたが、....
「寡婦」より 著者:秋田滋
バヌヴィルの館で狩猟が催されていた、その間のことである。その秋は雨が多くて陰気だった。赧い落葉は、踏む足のしたでカサとの
音もたてず、降りつづく陰欝な霖雨にうたれて、轍のなかで朽ちていた。 あらまし葉....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うに流れそのせせらぎは人を眠りにいざない、ときたま鶉が鳴いたり、啄木鳥の木を叩く
音が聞えるが、あたりに漲ぎる静寂を破る響はそれくらいのものだ。 思いおこしてみ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
人十色の癖まで、彼はいちいち承知していた。石ただみのうえをこつこつと歩いて来る跫
音を聴くだけで、もう誰が来たのか、ちゃんと解るようになってしまった。 見なれな....