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音吉
「音吉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音吉の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「安井夫人」より 著者:森鴎外
が川添の門を出て、道の二三丁も来たかと思うとき、あとから川添に使われている下男の
音吉が駆けて来た。急に話したいことがあるから、ご苦労ながら引き返してもらいたいと....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
赤土まじりの崖に成って、更に河原続きの谷底の方へ落ちている。崖の中腹には、小使の
音吉が弟を連れて来て、道をつくるやら石塊《いしころ》を片附けるやらしていた。
音吉....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が付いて来た。 利兵衛は主人の名代《みょうだい》に見送りに来たと云った。小僧の
音吉は奉公人一同の名代であると云った。お留に引きあわされて、半七は徳蔵に挨拶した....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
駐在所の巡査が、帳場と一緒に廊下で働いているみんなのところへやってきた。 「木村
音吉ってのいるか?」 それは津軽から出稼ぎに来ているまだ三十前の若い男だった。....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
守番に置いた夫婦に相違ありません」漸く気をとり直しながら彼は答えた。「それは坂田
音吉と申しまして、以前私方へ出入して居りました大工です。浅草の橋場の者ですが、弟....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
みに行く。
東京は桜の盛、車も通れぬ程の人出だった、と麹町まで下肥ひきに往った
音吉の話。村には桜は少いが、それでも桃が咲く、李が咲く。野はすみれ、たんぽゝ、春....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
にくるようになった。この貸本屋で、いかに、私は多くの講談本を読んだか? 「誰ヶ袖
音吉」「玉川お芳」などの大阪種の、侠客物の味は、まだ忘れられない。 九 ....
「S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
もなく、各地を荒しまわったために、R市方面へも手配されていたマヤクの音(本名堅村
音吉三十七歳)という前科数犯で、家人に麻酔を呉れて、騒がれない用心をして金品を奪....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
だが、いつの間にか、大阪から、講談は無くなってしまった。 「玉川およし」「誰ヶ袖
音吉」「木津勘助」「難波戦記」「岩見重太郎」「肥後駒下駄」「崇禅寺馬場」といった....
「すみれ」より 著者:北条民雄
昼でも暗いような深い山奥で、
音吉じいさんは暮して居りました。三年ばかり前に、おばあさんが亡くなったので、じい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る晩牢抜けをして、追分宿へ来て、女郎屋へ金をねだり、一両取って帰る道だと言った。
音吉とて子分が百人もおるばくち打だと役人が話した。それから大名へ渡すと首がないか....
「土地」より 著者:豊島与志雄
「夕立が来なけりゃええがなあ。」 独語のように呟かれたその声を小耳にはさんで、
音吉は鶴嘴を投り出して立上った。 「なあに来るがええよ。凉しくなってええ。一降り....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
合わせたが、こんな時にはご自慢の情婦――お妻を褒めるに越したことはないと、唐子の
音吉というお先ッ走りの乾児が、 「姐御、どっこい、奥様だったっけ、奥様お見えにな....