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音律
「音律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
めんに塗りつぶされていた。その表面に田川夫人や事務長や田川博士の姿が目まぐるしく
音律に乗って動いた。葉子はうるさそうに頭の中にある手のようなもので無性《むしょう....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
評的に精査しても大した価値はないのであるから、これをフォッス(Voss)の訳した
音律詩形で紹介することとしておく。すなわち、神統記、詩句一〇四―一三〇及び三六四....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ていた。座板へ置いて無意識にポーズを取る左の支え手から素直に擡げている首へかけて
音律的の線が立ち騰っては消え、また立ち騰っているように感じられる。悠揚と引かれた....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
月のひかりに透かしてみた。それから一応断った上で、試みにそれを吹いてみると、その
音律がなみなみのものでない、世にも稀なる名管であるので、喜兵衛はいよいよ彼を唯者....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
ないだろうかと思う。 よき構図は左様に人間の五体の釣合の如く、樹木の枝の如く、
音律のよき調和の如く、美しい縞柄の如く、画面の上に頗るよろしく保たれた処の明暗と....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ある、その講演者が純粋の東京人である時は、その話の内容は別として、ともかく、その
音律だけは心地よく聴く事が出来るが大阪人の演ずるお話は、大概の場合、その言葉に相....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ないだろうかと思う。 よき構図は左様に人間の五体の釣合の如く、樹木の枝の如く、
音律のよき調和の如く、美しい縞柄の如く、画面の上にすこぶるよろしく保たれたところ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
ふみすぎにけり、で杉を使ったなどは随分せつない、歌仙の歌でも何でも有りはしない、
音律不たしかな切な屁のような歌である。しかし是に懲らされて、狐は落されてしまった....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
主張することは出来ない。私は、口語歌の進むべき道は、もっと外に在ると思う。自由な
音律に任せて、小曲の形を採るのがほんとうだと思う。而も短歌の形を基準としておいて....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
五線紙型のネオンサインを、東京宝塚劇場の屋上高くかかげて、ドレミハソラシドの
音律を、省線の電車の窓から、数百万の青年子女に唄わしめんとした私の計画は、新聞紙....
「靄の彼方」より 著者:上村松園
共鳴する作品と申しますと、その作品の何も彼もが、こちらの心持ちへ入ってきて、同じ
音律に響くということになるのですから、つまりこちらの個性を動かすだけのものでなく....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
。単なる動作や進退の妙というだけのものではなく、衣裳の古雅荘厳さや、肉声、器声の
音律や、歴史、伝説、追憶、回想、そういうものが舞う人の妙技と合致して成立つもので....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
う意味で、こういう文例は徳川時代の公用文書にもしばしば見受けることである。まして
音律の上からいっても、“やがて手をとり給い”などは甚だ妙でないというのが、『東京....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ている。だな。じゃないかな。そうっとそうっと。」 幽かな、それは幽かな金属性の
音律が、※寂とした夜ふけの暗黒の中に、コチコチとカチカチと、それは遥かな白金光の....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
けている。一切が飛躍の準備をする……すると見よ! アナペスチック(短々長音格)の
音律。舞踏。初めは小さな装飾音とグルペッティ(短連符)とを持った田舎ふうの優雅さ....