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音無川
「音無川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音無川の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り出すのだか、それを突留めようとするものらしくあります。 ややあって七兵衛は、
音無川の岸の木蔭の暗いところから、扇屋の裏口を覗《のぞ》いて立っていました。どこ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
った。上野下の青石横町に住んでいたころも、根岸のお行《ぎょう》の松のすぐきわに、
音無川の前にいたころもそうだった。老嬢《おうるどみす》になった娘のミシン台とたん....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
。妹娘は常磐津《ときわず》を仕込んでいたが、勝川のおばさんの方へ多くいっていた。
音無川《おとなしがわ》を――現今《いま》では汚れた溝川になっているが――前にした....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
である。 伊東市の、ちょうど温泉町と漁師町の境界をなしているのが大川で、一名、
音無川ともいう。この川では鮎とウナギがとれ、通人の愛好するモクゾオ蟹がとれる。又....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
ガイない。 伊東へつく。一行は直ちに尾崎士郎を訪ねて酒をのむ。私は酔っ払って、
音無川へ水浴に行った。尾崎士郎を訪ねた時の酔余のよろこびはこれである。
音無川で水....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ックルは熱海の比ではない。明るい大通りへ進出しているのである。さらば閑静の道をと
音無川の清流に沿うて歩くと、暗闇にうごめき、又はヌッとでてくるアベックに心胆を寒....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
知りあいの二三の家もちょうど焼け落ちたころであった。 私は六時半に散歩にでた。
音無川にそうて、たそがれの水のせせらぎにつつまれて物思いにふけりつつ歩く。通学橋....
「温浴」より 著者:坂口安吾
温泉がなかった。 今の家は比較的街に近くて、この上もなく閑静だ。私の書斎の下は
音無川で、一方は水田であり、自分の家の物音以外は殆ど音というものがない。その上、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
顔を洗い手を洗う。水温は山中の谷川に比較すれば問題にならぬほど、生ぬるい。伊東の
音無川は河床から温泉がわいて甚しく生ぬるい谷川であるが、五十鈴川はそれよりもちょ....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
の滝を見ては遠きをいとわず中野を過ぎて井《い》の頭《かしら》の池に至り、また王子
音無川《おうじおとなしがわ》の流の末をたずねては、根岸の藍染川《あいそめがわ》か....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
郷川《ろくごうがわ》の如き天然の河流、第三は小石川の江戸川、神田の神田川、王子の
音無川《おとなしがわ》の如き細流《さいりゅう》、第四は本所深川日本橋|京橋《きょ....