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音読
「音読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玩具」より 著者:太宰治
をするするあけて、敷居のうえに佇立《ちょりつ》すると、虫眼鏡で新聞の政治面を低く
音読している父も、そのかたわらで裁縫《さいほう》をしている母も、顔つきを変えて立....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
私がとり出した『宣賓《シュウチョウ》の草漉紙《パピルス》』をみてケティがなにやら
音読のようなものを始めた。そこで私は、学校によんで録音をさせました。それから、時....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
おっしゃいました。 親鸞 ふむ。(考えている) 両人しばらく沈黙。本堂より、鐘の
音読経の合唱かすかに聞こえて来る。 唯円 お師匠様、あの(顔を赤くする)恋とはど....
「斜陽」より 著者:太宰治
、読者の眼のうらを焼く悲哀、若しくは、粛然、所謂襟を正さしめ、完璧のお小説、朗々
音読すれば、これすなわち、スクリンの説明か、はずかしくって、書けるかっていうんだ....
「不審庵」より 著者:太宰治
生の書である。黄村先生には、この掛軸一本しか無いようである。私は掛軸の文句を低く
音読した。 寒暑栄枯天地之呼吸也。苦楽|寵辱人生之呼吸也。達者ニ在ッテハ何ゾ必....
「安重根」より 著者:谷譲次
たい。そんなに人相が変ったんなら、誰に会ってもわかるまい。 隣室では禹徳淳の歌の
音読がはじまっている。柳麗玉は忍び笑いする。 安重根 (歌声に聞き入って微笑)元....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
マレイ語で「恐ろしき悪魔」という意味の言葉に似ており、もう一つ脱線すると源頼光の
音読がヘラクレースとどこか似通ってたり、もちろん暗合として一笑に付すればそれまで....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
の場合には、それとは反対にむしろ達意を主とするやり方であった。先生がただすらすら
音読して行って、そうして「どうだ、わかったか」といったふうであった。そうかと思う....
「高知がえり」より 著者:寺田寅彦
。また左舷へ帰って室へはいって革鞄から『桂花集』を引っぱり出して欄へもたれて高く
音読すると、艫で誰れか浮かれ節をやり出したので皆が其方を見る。ボーイにマッチを貰....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
誦するに、「彼の観音力を念ずれば」という訓読法を用いないで、「念彼観音力」という
音読法を用いる。蓋し僕には観音経の文句――なお一層適切に云えば文句の調子――その....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
ずして明である。 それから笄山だが、これは『郡村誌』に読方が記入してないので、
音読するのか訓読するのか判然しないが、普通にはコウガイと訓読するのが間違のない所....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
の交通に際してもその文字が我が国号として用いられ、唐人はそれを自国の字音のままに
音読して、ニッポンの名が始めて世界的に認められたものであったと解せられる。かくて....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
性の区別はないのであったが、同じ意味の語を男性にはチュウゲン(中間または仲間)と
音読することがふさわしく、女性にはハシタと訓読することの優しく耳に響くので、自然....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
敬語である事を説明してくれて、始めてなるほどと了解した事があった。その「御前」を
音読して「ゴゼン」と云えば、今でも貴族に対する最敬語になる。まことに滑稽千万な次....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
義でなければならぬ。そして「家人」とは、ヤッコすなわち「家の人」を文字そのままに
音読したもので、それを中世には邦語で呼んで、「家の子」と云ったにほかならぬ。すな....