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音調
「音調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
音調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
中に、ひときわ目立ちし婦人《おんな》なり。 そと貴船伯に打ち向かいて、沈みたる
音調もて、 「御前《ごぜん》、姫様《ひいさま》はようようお泣き止《や》みあそばし....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
処《ところ》に寝ていちゃあいかん、疾《はや》く行け、なんという醜態だ」 と鋭き
音調。婦人は恥じて呼吸《いき》の下にて、 「はい、恐れ入りましてございます」 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
をしかねない。短兵急に首を圧えて叩っ斬ってしまうのだ。 早瀬。」 と苛々した
音調で、 「是も非も無い。さあ、たとえ俺が無理でも構わん、無情でも差支えん、婦が....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
秒経って消えたら、いよいよ本物だ」 「呀ッ、消えましたわ」 お妻の声には恐怖の
音調が交っていた。 間もなく、電灯は再び点いた。 「ほうら、見なさい。いよいよ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
女は見えると思うのか。 美女 こうして、活きておりますもの。 公子 (屹としたる
音調)無論、活きている。しかし、船から沈む時、ここへ来るにどういう決心をしたので....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
。…… 二十二 「どうするの、それから。」 細い、が透る、力ある
音調である。美しい女のその声に、この折から、背後のみ見返られて、雲のひだ染みに蔽....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
のあるもんじゃあないわね。」 お貞は面晴々しく、しおれし姿きりりとなりて、その
音調も気競いたり。 「しかしね、芳さん、世の中は何という無理なものだろう。ただ式....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
とものいえり。 尉官は太く苛立つ胸を、強いて落着けたらんごとき、沈める、力ある
音調もて、 「汝、よく娶たな。」 お通は少しも口籠らで、 「どうも仕方がござい....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
頼め、足を頂け、こりゃこの杖に縋れ。」と蚊の呻くようなる声して、ぶつぶついうその
音調は、一たび口を出でて、唇を垂れ蔽える鼻に入ってやがて他の耳に来るならずや。異....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
か、山雀か、そうでもない。それでもないト考えて七面鳥に思いあたった時、なまぬるい
音調で、 「馬鹿め。」 といいすてにして、沈んで来る帽子をゆりあげて行こうとす....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
鋭い尖った叫び声がひびいてきた。 最初はあたかも楽劇の首歌妓も及ばぬような佳い
音調で、それがだんだんに調子を上げて、ついにその頂点は苦痛の長い号泣と変わってし....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
のでないと信じている。僕はただかの自ら敬虔の情を禁じあたわざるがごとき、微妙なる
音調を尚しとするものである。 そこで文章の死活がまたしばしば
音調の巧拙に支配せ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
うだな、自我得仏来所経、」となだらかにまた頓着しない、すべてのものを忘れたという
音調で誦するのである。 船は水面を横に波状動を起して、急に烈しく揺れた。 読....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
その状あたかも人が談話するに異ならず。ただ、その人の言語と相同じからざるは、その
音調が口笛のごとく聞こゆる点のみ。されば、これを聴ける群衆は、いかにもしてその声....
「妖怪学」より 著者:井上円了
、思想連合に起因するものなり。思想連合の作用は、今述ぶるごとく、一名称もしくは一
音調の名称、
音調に相同じきか、あるいは相類するがために、その一種の心中に浮かび出....