» 音頭取

「音頭取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

音頭取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
上がり初めました。占めたというので気狂《きちが》いのように勇み立った藻取と宇潮の音頭取りで、皆の者は拍子を揃えて曳《えい》や曳やと引きましたが、綱は矢張り二三寸....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
が空くと、電信の針がねに一座ずらりと出て、ぽちぽちぽちと中空高く順に並ぶ。中でも音頭取が、電柱の頂辺に一羽|留って、チイと鳴く。これを合図に、一斉にチイと鳴出す....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
らだを振り動かしながら手を拍って調子を合わせた。塩辛い声を振り揚げる髪結い直次の音頭取りで、鄙びた合唱がまたそのあとに続いた。 袷ナ なかのりさん、 ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
白い手拭いをかむった男と女とが手をつないで輪をつくって調子よく踊り始める。上手な音頭取りにつれて、誰も彼も熱心に踊った。 九時過ぎからは、人がますます多く集ま....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ンだぜ」 「※、乃公が音頭とるべい。音頭とるべいが、皆であとやらんといけねえぞ。音頭取りばかりにさしちゃいけねえぞ――ソラ、ジンバラハラバイタァ」ガーンと鉦が鳴....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
巻に気勢いを見せて、鳶頭、大工二十人、三十人、互いに自慢の咽喉を今日ぞとばかり、音頭取りの一くさりを唄い終るかおわらぬに一斉の高調子、「めでためでたの若松様よ、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
か」 「それそれ、どうかあれをひとつ聞かしてもらいたい」 「ああいう時の調子では音頭取《おんどとり》も致しますけれど、改まってどうしてお聞かせ申すことができます....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
いというので、合同会見を打ち切って引き上げて了ったという事件もあったそうで、その音頭取りは『朝日』の記者だったとか聞いているが、之は寧ろ例外の場合と見ねばなるま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
来て力ずくで差しとめるということにきまっているよ。その時にお役人から、この踊りの音頭取りとして、茂ちゃんとわたしが捉まったらどうしよう。別にわたしたちが悪いこと....
雑記帳より(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
とを打合わせる。その度ごとに采配が切断されてその白い紙片が吹雪のように散乱する。音頭取が一つ拍子を狂わせるとたちまち怪我人が出来るそうである。 映画の立廻りの....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、ぎごちない。この読者というものの中には批評家が勿論|交っている。左の座にはその音頭取があるようにも見えた。大抵の読者はそのいずれかに属しながら押黙っていたので....
決闘」より 著者:神西清
てる、療治をしてやる、婚礼の橋渡しをしてやる、喧嘩の仲裁をしてやる、ピクニックの音頭取りになって、羊肉の串焼きをする、とても旨い鯔のスープをこしらえる。年がら年....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
ず、それをナポレオンが心よく思わなかったことである。 第二は、その露国皇太后が音頭取りで、国内に排仏熱を高め、駐露仏国公使サバリーに対し、皮肉な、陰険な、女性....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
正月からやったのだから僕と両人でやったらどんな事に相成り行くか大分心細く候につき音頭取りとして御出が願われますまいか。その上高辻氏は何を稽古しているか分らず。小....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ですが、その踊り方が余程面白く太鼓と鐃鉢の調子できまって行きます。これはちょうど音頭取りのようなものです。だがその鐃鉢を打ちながら踊り廻る様子の活発で、またその....