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「響かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

響かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
つけないと、足の裏で豆を踏み潰《つぶ》す恐れがある上に、人のいない天井裏を無益に響かすのが苦《く》になったからである。豆は砂山のごとく脚下に起伏している。こちら....
芸術が必要とする科学」より 著者:宮本百合子
れの高いところに一つラジオの拡声器が据えつけてあって、朝ラジオ体操のかけ声を鳴り響かす。そして、たまに音楽の中継なども聴かすのであるが、どういうセットをつかって....
黒百合」より 著者:泉鏡花
た夏座敷の灯が漏れて、軒端には何の虫か一個唸を立ててはたと打着かってはまた羽音を響かす、蚊が居ないという裏町、俗にお園小路と称える、遊廓桜木町の居まわりに在り、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
り響いている、その姿を描くこと。やっとそろそろ鳴り出した私の交響楽はどこまでその響かすべき音響を奏し切るでしょうね。 十月一杯に五十枚ほど今日の文学について書....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
戦っている。 その戦いと平和とが、クリストフのうちに鳴り響いた。彼は大洋の音を響かす貝殻《かいがら》に似ていた。主権的な律動《リズム》に導かれてる、らっぱの呼....
妾宅」より 著者:永井荷風
すと、妾宅の障子はどれが動くとも知れず、ガタリガタリと妙に気力の抜けた陰気な音を響かす。その度々に寒さはぞくぞく襟元《えりもと》へ浸《し》み入る。勝手の方では、....