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「響き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

響きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
刀が、ほとんど無意識に受けとめた、次郎の太刀の刃を打って、鏘然《そうぜん》とした響きと共に、またたく間《あいだ》、火花を散らした。――次郎はその時、月あかりに、....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
まいました。するとその頭《かしら》の空に、摩利信乃法師の罵る声が、またいかめしく響き渡って、 「命が惜しくば、その方どもも天上皇帝に御詫《おわび》申せ。さもない....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
らひらと空に翻《ひるがえ》った。彼女の頸に垂れた玉は、何度も霰《あられ》のように響き合った。彼女の手にとった小笹の枝は、縦横に風を打ちまわった。しかもその露《あ....
河童」より 著者:芥川竜之介
め、戦うようにピアノを弾《ひ》きつづけました。すると突然会場の中に神鳴りのように響き渡ったのは「演奏禁止」という声です。僕はこの声にびっくりし、思わず後ろをふり....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
讐《かたき》をとってやるものを!」 声は水牛の吼《ほ》えるように薄暗い野原中に響き渡った。同時にまた一痕の残月も見る見る丘のかげに沈んでしまった。……… こ....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
からかけたのが、反射炉のまっかな光をたたえたかたわらに動いている。機械の運転する響き、職工の大きな掛声、薄暗い工場の中に雑然として聞えるこれらの音が、気のよわい....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
の後《のち》よみ返った事を信じている。御糺明《ごきゅうめい》の喇叭《らっぱ》さえ響き渡れば、「おん主《あるじ》、大いなる御威光《ごいこう》、大いなる御威勢《ごい....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
表わすために、しばしば、その世話物の中に用いたものは、実にこの大川のさびしい水の響きであった。十六夜《いざよい》清心《せいしん》が身をなげた時にも、源之丞《げん....
おしの」より 著者:芥川竜之介
らん》の園のおん祈りのことを、……… 神父の声は神の言葉のように、薄暗い堂内に響き渡った。女は眼を輝かせたまま、黙然《もくねん》とその声に聞き入っている。 「....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、一度眼の上までさし上げて置いて、力の限り向うへ抛《ほう》り投げた。岩は凄じい地響きをさせながら、見物の若者たちの近くへ落ちて、銀粉のような砂煙を揚げた。 大....
将軍」より 著者:芥川竜之介
突然烈しい叱咤《しった》の声は、湧き返っている笑の上へ、鞭《むち》を加えるように響き渡った。 「何だ、その醜態《しゅうたい》は? 幕を引け! 幕を!」 声の主....
或る女」より 著者:有島武郎
乗った時には、機関車の応笛《おうてき》が前方で朝の町のにぎやかなさざめきを破って響き渡った。 葉子は四角なガラスをはめた入り口の繰り戸を古藤が勢いよくあけるの....
歯車」より 著者:芥川竜之介
何しろ反対なものを一しょに持っている」 そこへ僕等を驚かしたのは烈しい飛行機の響きだった。僕は思わず空を見上げ、松の梢に触れないばかりに舞い上った飛行機を発見....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
す。 六 その内に部屋の中からは、誰かのわっと叫ぶ声が、突然暗やみに響きました。それから人が床の上へ、倒れる音も聞えたようです。遠藤は殆ど気違いのよ....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
方は何の為に、峨眉山の上へ坐っていた?」 閻魔大王の声は雷のように、階の上から響きました。杜子春は早速その問に答えようとしましたが、ふと又思い出したのは、「決....