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頂き
「頂き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頂きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
つつんでいる。町をめぐる山々も、日中のほとぼりを返しているのであろう、おのずから
頂きをおぼろげな月明かりにぼかしながら、どの峰も、じっと物を思ってでもいるように....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
身が広くなったように、感じたらしい。
「では先生そのうちに一つ歌か発句かを書いて
頂きたいものでございますな。よろしゅうございますか。お忘れになっちゃいけませんぜ....
「春」より 著者:芥川竜之介
緊張《きんちょう》した色が動いただけだった。
「ええ、ぜひわたしも姉さんに聞いて
頂きたいの。」
広子は内心プロロオグの簡単にすんだことに満足した。けれども辰子....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
い、妖魅鬼神《ようみきじん》の憑きましたのも、あの十文字《じゅうもんじ》の護符を
頂きますと、まるで木《こ》の葉を食う虫が、大風にでも振われて落ちるように、すぐさ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
が、こんな事を一々御話しするのは、御退屈を増すだけかも知れません。ただ気をつけて
頂きたいのは、本地垂跡《ほんじすいじゃく》の教の事です。あの教はこの国の土人に、....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
彼女には去年|行方《ゆくえ》知れずになった親戚のものが一人ある、その行方を占って
頂きたいと云った。
すると老人は座敷の隅から、早速二人のまん中へ、紫檀《したん....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
与えた。――現に彼には、同席の大名に、あまりお煙管が見事だからちょいと拝見させて
頂きたいと、云われた後《あと》では、のみなれた煙草の煙までがいつもより、一層快く....
「葱」より 著者:芥川竜之介
指環だの翡翠まがいの帯止めだのが――以下は前に書いた通りだから、そこを読み返して
頂きたい。
お君さんは長い間、シャヴァンヌの聖《サン》・ジュヌヴィエヴのごとく....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
げようか? 抛《ほう》るよ。失敬。」
「こりゃどうも。E・C・Cですな。じゃ一本
頂きます――。もうほかに御用はございませんか? もしまたございましたら、御遠慮な....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
《いほう》は白癩《びゃくらい》さえ直すと云うことである。どうか新之丞の命も助けて
頂きたい。………
「お見舞下さいますか? いかがでございましょう?」
女はこう....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ていますから、……もっと深い人間性に根ざした、真面目《まじめ》な恋愛小説を書いて
頂きたいのです。
保吉 それは書きますよ。実はこの頃婦人雑誌に書きたいと思って....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
越えたのは、ちょうどその後《ご》二日経った、空模様の怪しい午後であった。彼は山の
頂きへ来た時、嶮《けわ》しい岩むらの上へ登って、住み慣れた部落の横わっている、盆....
「少年」より 著者:芥川竜之介
などはどうでも差支えない。
五 幻燈
「このランプへこう火をつけて
頂きます。」
玩具屋《おもちゃや》の主人は金属製のランプへ黄色いマッチの火をと....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
三
その夜《よ》わたしは結《ゆ》い燈台《とうだい》の光に、御主人の御飯を
頂きました。本来ならばそんな事は、恐れ多い次第なのですが、御主人の仰《おお》せも....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
貨を一枚投げ出すが早いか、※々このカッフェを出ようとした。 「もし、もし、二十銭
頂きますが、……」 僕の投げ出したのは銅貨だった。 僕は屈辱を感じながら、ひ....