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頃来
「頃来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頃来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《ごうじょう》なのが、さすがに少し面憎《つらにく》くもなった。
「谷村さんは何時
頃来てくれるんでしょう?」
「三時
頃来るって云っていた。さっき工場《こうば》の方....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
それはね……彼様《あん》な事を…又あゝいう事を……お前そう疑るからいけない、此の
頃来たお弟子ではなし、家《うち》の為になるからそれはお前、お天気がいゝとか、寒う....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
けないということであった。それならそうと早くいってくれればよいのだ。そうして何時
頃来るかといえば、それは判らぬという。そのじつ判っているのである。配下の一員は親....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
れて、寸暇に顔を出してくれる。十五日はいよいよ九州へ飛行機で出発とのこと。十一時
頃来て、二時半頃戻って行く。多分国分か鹿児島らしいという。 二月十五日 ◯敵B....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
、ずっと離れて窓際のちっちゃな椅子へ掛けて窓の外を見て居る。麻川氏「種蒔くはこの
頃来ませんな。」私「ええ、東北の方へ行っちまったんだそうです。」麻川氏「ははあ、....
「わが町」より 著者:織田作之助
はきはき言った。圧されて、 「はあ、五時に交替ですねん」 「そんなら、五時半
頃来られまっしゃろ?」 次郎の大阪弁が君枝の固い心をいくらかほぐした。 「そら....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
「どなたもお出になりませんでした」 「重武さんは、昨日より以前に、一番近く、いつ
頃来られた?」 野村は重武がどこかの隅から、彼をじっと見詰めているような気がし....
「椎の木」より 著者:豊島与志雄
方に行くことにした。他に用もあったので、なか一日おいて、電話できき合せると、四時
頃来てくれとのことだった。 丸の内のオフィス街は、冬の四時頃にはもう日の光がな....
「交遊断片」より 著者:豊島与志雄
内田栄造君が先程訪ねてきて、三十分ばかりしたら帰る筈だと云ったら、じゃあまたその
頃来ると云いおいていったとの、家人の話だった。そして私が洋服を着物に着換えてしま....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
フーム、この十四日に蟠龍軒が權三郎方へ来るとな、辱けない、その大伴は十四日の何時
頃来ますか、定めし御存じでしょうな」 女「多分昼前からまいるように申して居った....
「青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ずねた。 「はあ、坊さんがお二人お見えになりまして」と給仕は言った。「二人とも近
頃来たらしい外国の坊さんですが、安直なお弁当をお上りになると、一人の方がお勘定を....
「髪」より 著者:織田作之助
おそるおそる分会長の前へ出頭すると、分会長はいきなり私の顔を撲って、莫迦野郎、今
頃来る奴があるかと奴鳴った。 私は点呼令状と腕時計をかわるがわる見せて、令状に....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
その明日になると姿が見えなかった。朝っぱらから用があって他出したのだという。何日
頃来てくれるかと念を押すと、雪がなくなったら二三日つづけて薪ごしらえをしたり、野....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
して帰って行く、そしてその十分の一くらい旅行記の端に書けば満足している。しかし今
頃来る人は全く相違している。天台を研究する人は叡山に登らなければ承知しない。真言....
「渋温泉の秋」より 著者:小川未明
ど行かなかった。日が暮れると、按摩の笛の音が淋しく聞かれるばかりである。 此の
頃来たという美しい女の飴売が、二人の子供を連れて太鼓を叩きながら、田中の方から、....