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預ける
「預ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
預けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
とう》を出した、人出入の少い土蔵造《どぞうづく》りの家《うち》へ大きい画集などを
預けることにした。が、前借の見込みも絶え、父母兄弟とも喧嘩《けんか》をした今は、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら自分の家に置くのは不安だと思って、次郎吉に相談してひと先ず玉太郎をお京の二階に
預けることにしました。次郎吉は自分とお京との秘密を白雲堂に知られている弱味がある....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たのが随分ありました。わたくしが世話になっている家でも隠居の年寄りと子供を川越へ
預けるというので、その荷物の宰領や何かで一緒に行ったことがあります。花の頃ではあ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も心配する、お浜は泣いて騒ぐ。そこで又、三甚とお浜を四つ家町の伊丹屋という酒屋へ
預けることになりました。ここも白井屋の親類だそうです。三甚も気が弱いに相違ありま....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
たときには、全く弱った。こんな子供を連れて昼日中歩いてもいられもしないので何処か
預けるところはないかと考えた。その揚句、幸いにも近くの丸の内十三号館の中庭に街の....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
報がないと、主任は決心して立上った。そして本部を市内の警察署に移し、留守を署長に
預けると、赤沢病院とは反対側の郊外にある、市立の精神病院へやって来た。 乞に応....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
か、三題話のようですが、凄いでしょう。……事実なんです。貞操の徴と、女の生命とを
預けるんだ。――(何とかじゃ築地へ帰られねえ。)――何の事だかわかりませんがね、....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
で、濫に扱うべきでないと、もっともな分別です。すぐに近間の山寺へ――浜方一同から
預ける事にしました。が、三日も経たないのに、寺から世話人に返して来ました。預った....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、……この桑名の島屋とは、行かいはせぬ遠い中でも、姉さんの縁続きでござんすから、
預けるつもりで寄越されましたの。」 「おお、そこで、また辛い思をさせられるか。ま....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
て、共同墓地にした時に、居まわりに寺がないから、この御堂を建立して、家々の位牌を
預ける事にした、そこで回向堂とも称うるので、この堂守ばかり、別に住職の居室もなけ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
と取りつつ、冷水の洋盃を長く差伸べて、盆に返し、 「沢山だ。おい、可いか、島野、
預けるぜ。」 屹と向直って、早く手綱を棄てようとする。島野は狼狽えて両手を上げ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
いった時には歯車ももう消え失せていた。が、頭痛はまだ残っていた。僕は外套や帽子を
預ける次手に部屋を一つとって貰うことにした。それから或雑誌社へ電話をかけて金のこ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
嬢さまを、散歩にでもお連れなすってはいかがですか」 ばあやは青年一人にかの女を
預けるのを何の不安もなげである。かの女もまた………この青年にかぎって不安を感じる....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
。 李中行 いや、誰だって確でないと思う銀行にあずける者はない。確だと思えばこそ
預けるのだが、それが案外にばたばたと預かっているに限りますよ。五分の利が付くとか....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ましょう。昨日は大きな鮒を料理りましたから。」 持てとも言わず、角樽を柳の枝に
預けると、小褄をぐい、と取った緊った足の白いこと。――姿も婀娜に、流へ張出しの板....