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「頑として〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頑としての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
の申し条とも、全く変ったものであった。が、奉行が何度|吟味《ぎんみ》を重ねても、頑として吉助は、彼の述べた所を飜《ひるがえ》さなかった。 三 ....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
いるのであるか。 「おお、これは――」 帆村は、隣室の襖に手をかけたが、これは頑として動かなかった。よくみると、襖は襖だが、特製のもので、こっちからみると紙が....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ったらしく聞いている。俳優側からも種々の訂正が持ち出されたらしい。しかし井上氏は頑として受付けなかった。この二番目の脚本にはいっさい手を着けてはならないと云い渡....
暗号の役割」より 著者:海野十三
そういう不作法なことは、おれは嫌れえだ。あくまで錠前を外して開くんだ」 烏啼は頑として彼特有の我を通す。 三時間、三時間半……三名人の顔に疲労の色が浮かぶ。....
地獄の使者」より 著者:海野十三
疑者一号は、ピストルを持っていたかね」 「いや、持って居りません。追及しましたが頑として答えません」 「ピストルで射殺したことは認めたかね」 「ピストルなんか知....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
、名の方も田鶴子ではなしに、田津子に改めろといったらしいんですが、あの女はそれを頑として応じないで田鶴子を通しているといっていました。それは田鶴子の方がずっと上....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ばちがあたりゃしないでしょう」 スミ枝は、とうとう怒り出した。それでも房枝は、頑としてへんじをしなかった。これにはスミ枝も、全く手をやいてしまったが、ふと思い....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
―それ以上、いえない。なんといっても、いえない。―― そういったきり、博士は、頑として、そのあとのことを喋ろうとはしなかったのだ。 ぐわーン。がらがらがらが....
火星兵団」より 著者:海野十三
すか」 「まあ、いいよ。そんなことを聞いても、なんにもなりはしない」 博士は、頑として言わなかった。 「まだ一年ぐらい先ですか」 「さあ、どうかな」 「それと....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に蹈跨って咽喉を緊め、五体に七筋の蛇を絡わし、牙ある蜥蜴に噛ませてまで呪うたが、頑として退かず、悠々と歌を唄うに、我折れ果てた。 よって最後の試み、としてたっ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
主翁はその伯父なり。 されど室内に立入りて、その面を見んとせらるるとも、主翁は頑として肯ぜざるべし。諸君涙あらば強うるなかれ。いかんとなれば、狂せるお貞は爾来....
黒百合」より 著者:泉鏡花
と抜いて、滝太郎に与えたのが今も身を離さず、勇美子が顔を赤らめてまで迫ったのを、頑として肯かなかった指環なのである。 その時、奥山で餞した時、時ならぬ深夜の人....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
うくらいが関の山である。家計簿はつけたことがない。私がどんなにやかましくいつても頑として受け付けない。そういうことはできない性分らしい。近ごろではこちらが根負け....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
嚇した。三反歩の方の地主は強硬に土地返還を迫った。が彼はそれらのいずれに対しても頑として応じなかった。「勝手に何でもやれ! 俺は、俺だ。」 そして彼は毎日寝て....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
、同じ満洲に松太がいることさえわかれば、それで気が済む、死んでも心残りはないと、頑としてきかなかつた。それだけのことで、あんな遠方に行つてどうすると、竹松の兄弟....