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頑固
「頑固〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頑固の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《ささべり》をつけていた。海は目も綾《あや》な明暗をなして、単調な島影もさすがに
頑固《がんこ》な沈黙ばかりを守りつづけてはいなかった。葉子の心は抑《おさ》えよう....
「或る女」より 著者:有島武郎
は、倉地の手を経ずに直接葉子にあてて古藤から回送されるようになった。古藤はしかし
頑固《がんこ》にもその中に一言《ひとこと》も自分の消息を封じ込んでよこすような事....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
ことはほとんどなかったと言っていいくらいで、今の普通の家庭では想像もできないほど
頑固であった。男がみだりに笑ったり、口を利《き》くものではないということが、父の....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
たちに必要なものだと私は思うのだ。お前たちがこの書き物を読んで、私の思想の未熟で
頑固《がんこ》なのを嗤う間にも、私たちの愛はお前たちを暖め、慰め、励まし、人生の....
「星座」より 著者:有島武郎
「もっともあれはあれで親切人だから、そのことを根に持つような人柄ではないが、俺は
頑固な昔気質だから、どうも寝ざめがようないのだ。俺は困っとるよ……」
と父は膝....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
らにも及ばない。人間などという存在は全く無視されている。それにも係わらず君たちは
頑固に自分たちの存在を主張した。雪も風も波も君たちを考えにいれてはいないのに、君....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
交渉から身を退けて行くからだ。ニイチェは弱い人だった。彼もまた弱い人の通性として
頑固に自分に執着した。そこから彼の超人の哲学は生れ出たが、そしてそれは強い人に恰....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
迷信に根ざしていた。彼らの全公生活は迷信的な方式で規約されていた。伝統的な習俗を
頑固に保守するローマ人には、芸術や科学は感興を刺激することが少なかった。まして自....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
描かるる。 それを汚すようだから、雁首で吹溜めの吸殻を隅の方へ掻こうとすると、
頑固な鉄が、脇明の板じめ縮緬、緋の長襦袢に危く触ろうとするから、吃驚して引込める....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
観、子供の母親として考えるすべての事は以前とはだんだんちがってきました。 彼の
頑固なまでの利己的態度をはっきり見得るようになったのはその子供に対する態度からで....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ないぞ。)と、こちらに、年久しい、半助と云う、送迎なり、宿引なり、手代なり、……
頑固で、それでちょっと剽軽な、御存じかも知れません。威勢のいい、」 「あれだね。....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
あらず。談笑の間もなお然り。酔うて虎となれば愈然り。久保田君の主人公も、常にこの
頑固さ加減を失う能わず。これ又チエホフの主人公と、面目を異にする所以なり。久保田....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
けたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない
頑固な癖があったからだという。それはともかくとして、わたしはこの事実の真偽のほど....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、どうじゃ、切ないかい、どこぞ痛みはせぬか、お肚は苦しゅうないか。」と自分の胸を
頑固な握拳でこツこツと叩いて見せる。 ト可愛らしく、口を結んだまま、ようようこ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
やし、何せい、弘法様の……あんたお宗旨は。」 「ほっけです。」 「堅法華、それで
頑固や。」 「いや、いやそんな事より、なくなった母親の遺言です、灸は……」 「そ....