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「頑是〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頑是の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
四二 「おねえ様……行っちゃいやあ……」 まるで四つか五つの幼児のように頑是《がんぜ》なくわがままになってしまった貞世の声を聞き残しながら葉子は病室を出....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
だ。然し北国の寒さは私たち五人の暖みでは間に合わない程寒かった。私は一人の病人と頑是《がんぜ》ないお前たちとを労《いた》わりながら旅雁《りょがん》のように南を指....
富士」より 著者:岡本かの子
ますの。お寒いのに、なぜ、おとり申上げた村里の宿へお出でになりませんの」 翁は頑是《がんぜ》ない子供が、てれながら駄々を捏ねるように、掌に拳を突き当てつつ俯向....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぶつでし》だけあって、活発にあいさつをいたしました。けれども、まだなんといっても頑是《がんぜ》ない子どもでしたから、あいさつはあいさつであっても、少々ばかりふる....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たっては、じつに聞きのがしがたいことでした。しかも、盗んでさらって売ったものは、頑是《がんぜ》ない子どもだというのでした。 名人の手は久方ぶりで、そろりそろり....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
それはかの女にも原因があるのではないかと、かの女は考えた。 かの女は、むす子が頑是ない時分から、かの女の有り剰る、担い切れぬ悩みも、嘆きも、悲しみも、恥さえも....
雛妓」より 著者:岡本かの子
それは自分でさえ何の意味か判らないほど切ないまぎれの譫言のようなものであった。頑是ない息子は、それでも「あい、――あい」と聴いていた。 この話を後に聴いて、....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
すが宜しいか少しは考えも有ろう」 祖「手前の考えでは若様は未だお四才かお五才で御頑是もなく、何|弁えない処のお子様でございますから、万々一大殿様がお逝去れに相成....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
はねえが、お前様ア留守勝で家の事は御存じござんねえが、悪戯は果すかは知らねえが、頑是がねえ十にもなんねえ正太郎だから、少しぐれえの事は勘弁して下さえ」 七「あれ....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
とって全くなくてはならないものでした。この犬一ぴきが、彼等――老いぼれた不具者と頑是ない幼児――にとっては、ただ一人の稼ぎ人、ただ一人の友達、ただ一人の相談相手....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
係がある」 「なんと云うんだ! そして、どこの国のものだ」 「日本人だ。しかも、頑是ない五歳ばかりの男の子だ」 私は、ちょっと、暫くのあいだ物もいえなかった。....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
は移動禁止の品だ。ここへ、置いて行け」 置いて行けといわれて、娘は蒼くなった。頑是ない子供が、夜が明ければ空腹を叫ぶので、止むに止まれず親戚へお縋りに行った。....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
に守田座へ行きたくなったのです。それで浅草へお参りに行くと云っては、何も知らない頑是のない綾ちゃん達のお母さんを、連れて守田座へ行ったものです。それも一日通して....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
の音の可恐さは大地が裂けるようであった。「ああ、そうとは知りませぬ。――小児衆の頑是ない、欲しいものは欲しかろうと思うて進ぜました。……毎日見てござったは雛じゃ....
革命の研究」より 著者:大杉栄
に突き刺さった頭のまわりでカルマニヨル(共和党の歌舞)を踊っている時にでも、実に頑是ないいい児である。 封建諸王やロシアの皇帝はそんな騒ぎをしない。彼等はただ....