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「頓て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頓ての前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
良夜」より 著者:饗庭篁村
れば、「珍しき人よりの手紙かな、こちらへと言え」と書生に命ずる主公の声聞えたり。頓て書生にいざなわれて応接所へ通りしが、しばらくしてまたこちらへとて奥まりたる座....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
、音という音は皆消失せて、唯何やら前面が蒼いと思たのは、大方空であったのだろう。頓て其蒼いのも朦朧となって了った…… どうも変さな、何でも伏臥になって居るらし....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
頬を耳より口まで引抓れたる者にして処々に肉さえ露出たれば痛みは左こそと察せらる、頓て余が其傷を洗いて夫々の手術を施し終れば目科は厚く礼を述べ「いや是くらいの怪我....
無惨」より 著者:黒岩涙香
谷間田は(無論愛嬌顔で)先ほど大鞆に語りし如く傷の様々なる所より博奕場の事を告げ頓て縮れたる髪筋を出して差当りお紺と云える素性不明の者こそ手掛りなれと説き終りて....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
は之を厭がる、其の厭がるのを何故に着けて居るだろうと是も怪しさの一つに成ったが、頓て其の手を見ると、着物の怪しさを忘れて仕舞った、左右とも手袋を被《はめ》ては居....
風流仏」より 著者:幸田露伴
方便もがな、噫思い付たりと小行李とく/\小刀取出し小さき砥石に鋒尖鋭く礪ぎ上げ、頓て櫛の棟に何やら一日掛りに彫り付、紙に包んでお辰|来らばどの様な顔するかと待ち....
菜の花物語」より 著者:児玉花外
の、これも悪どい色の今は怖ろしいよう、そして釣目は遠い白雲を一直線に眺めている。頓て嫁入行列は、沈々黙々として黒い人影は菜の花の中を、物の半町も進んだ頃い、今ま....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
いゝえ、汚ない処が心配が無くって宜しゅうございます」 とつか/\と雪隠へ這入り頓て出て参って、 女「あの少しお冷水を頂き度いもんでございます、此処に有るのを頂....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ッと一|迅吹いて来ます風が冷たい風、「夕立や風から先に濡れて来る」と云う雨気で、頓てポツリ/\とやッて来ました、日覆になった葦簀に雨が当るかと思ううちに、バラ/....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
納め、余所ながら暇乞いと心得、西浦賀の蛇畠町の先|浜町の処を行くと陣屋のある処、頓て案内を以て目通りを願いたいと云うと、其の頃のお奉行は容易に目通りは出来んが、....
枯尾花」より 著者:関根黙庵
の火柱が、光りを放って空中へ上る事、幾百メートルとも、測量の出来ぬくらいである、頓てそれがハラハラと四方に飛散する状は、恰も線香花火の消るようであった、雨は篠を....