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頓挫
「頓挫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頓挫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
づいてきているような一種の心の圧迫を感じ始めているのは明かだった。自分の研究に一
頓挫《いちとんざ》が来そうな気持がしだいに深まっていった。
園は父の手紙をわざ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《きわた》の一袋もありぬべし。 かかるほどに車体は一上一下と動揺して、あるいは
頓挫《とんざ》し、あるいは傾斜し、ただこれ風の落ち葉を捲《ま》き、早瀬の浮き木を....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
臓の故障だと診《み》て帰った。 行一は不眠症になった。それが研究所での実験の一
頓挫《いちとんざ》と同時に来た。まだ若く研究に劫《こう》の経ない行一は、その性質....
「金属人間」より 著者:海野十三
二千年を経《へ》たいま、わが手によって実現されるのだ。自然科学の革命、世界宗教の
頓挫《とんざ》、人間のにぎる力のおどろくべき拡大……」 川内警部は、にがり切っ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
たのは何よりである。それがもし調べられたりすると、われわれが重大使命を果す上に一
頓挫を来たすことになる。不幸中の幸だったといわなければならん。――では『赤毛のゴ....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
、山口等、多くの同志が投獄され、その他の人々は手も足も出しようがなく、運動は全く
頓挫の姿を呈した。幸徳君はこの形成の下にあって、ますますその無政府主義的態度を鮮....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
に囚われた文章よりも、この方が、よほど、今日の口語に近い語脈を伝えていて、抑揚|
頓挫などという規則には拘泥しない、自然のままの面白味が多いようだ。 しかも時代....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
かかえて笑う。私は何のために笑われるかちっとも分からぬが、これは私の素読は抑揚|
頓挫ないモノトーンなものに加うるに余り早過ぎて分からぬというためであった。爾来四....
「取舵」より 著者:泉鏡花
動だにせずして、畳の上を行くがごとくなりき。これあるいはやがて起らんずる天変の大
頓挫にあらざるなきか。 船は十一分の重量あれば、進行極めて遅緩にして、糸魚川に....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
として老人を聘して役目で縛りつけたので、結局この計画は中止となり、高橋の志道軒も
頓挫してしまった。マジメに実行するツモリであったかドウか知らぬが、この時分はこう....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を恩恵的に貰う必要はないと、キビキビ跳付けてプイと退学してしまった。 が、この
頓挫が二葉亭の生涯の行程をこじらす基いとなったは争われない。当時の商業学校の校長....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
模倣であったが、人心を新たにし元気を横溢せしめて新らしい文明のエポックを作った。
頓挫しても新らしい文化の種子を播いたのは争えない。当時の公侯の文化主義は終に曾我....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
動を取ってもらいたいと頼んだのである。王の返事が満足のものでなかったので、計画は
頓挫した。だが、いま、サザンプトンとデエバアスとマウントジョイの密議の席上で、そ....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
武士階級の廃絶を来すとともに、また武具の要途を杜絶し、全部落の皮革製造はここに大
頓挫を来したとみえている。ことに天部部落は、鉄道の開通とともに三条街道の往来が減....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
て無限の興味を覚える。 海軍の無能によってナポレオンの計画は実行一歩手前に於て
頓挫し、英国は墺、露を誘引して背後を覘わしめた。ナポレオンは一八〇五年八月遂に英....