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「頓着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頓着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
い松花《スンホア》を頬張ったなり、蔑《さげす》むような笑い方をした。が、藤井は無頓着《むとんじゃく》に、時々和田へ目をやっては、得々《とくとく》と話を続けて行っ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
許にとどいても、とんと御返事と申すものは頂けません。が、若殿様は、一向それにも御頓着なく、三日にあげず、御文やら御歌やら、あるいはまた結構な絵巻やらを、およそも....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ではありません。あそこに御出でになる御客人です。」――人の好さそうな内弟子は、無頓着にこう返事をした。 それ以来喜三郎は薬を貰いに行く度に、さりげなく兵衛の容....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
あった事は、牧野《まきの》も気がついてはいたらしかった。が、彼はそう云う事には、頓着《とんちゃく》する気色《けしき》も見せなかった。また実際男の方でも、牧野が彼....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
まま、しくしく泣き出してしまいました。が、祖母はいつもと違って、お栄の泣くのにも頓着せず、その麻利耶観音の御宮の前に坐りながら、恭《うやうや》しく額に十字を切っ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
日的空気に不快を感じていた為だった。しかし僕等を乗せたボオトは僕の気もちなどには頓着《とんちゃく》せず、「中の島」の鼻を大まわりに不相変《あいかわらず》晴れやか....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
鶉《うずら》の群《むれ》が慌しくそこここから飛び立ったが、馬は元よりそんな事には頓着《とんじゃく》しない。背中に乗せている主人が、時々ずり落ちそうになるのにもか....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
しく思召されたのでございましょう。 しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着《とんじゃく》致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足《おみあし》....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
る。恐らく学者とか何とか云う階級に属する人なので、完《まった》く身なりなどには無頓着なのであろう。 「オールマナック・メエカア。正にそれにちがいない。いや僕の考....
「少年」より 著者:芥川竜之介
うと、濡れ手拭を肩にかけながら、「どっこいしょ」と太い腰を起した。保吉はそれでも頓着せずに帆前船の三角帆を直していた。が、硝子《ガラス》障子のあいた音にもう一度....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
万々歳！」 彼は片手に銃を振り振り、彼の目の前に闇を破った、手擲弾の爆発にも頓着《とんちゃく》せず、続けざまにこう絶叫していた。その光に透《す》かして見れば....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
申し上げるとなって見ると、今更のように心が怯《おく》れたのです。しかし御主人は無頓着に、芭蕉《ばしょう》の葉の扇《おうぎ》を御手にしたまま、もう一度｜御催促《ご....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
！」 Ｍは体を濡《ぬ》らし濡らし、ずんずん沖《おき》へ進みはじめた。僕はＭには頓着《とんじゃく》せず、着もの脱ぎ場から少し離れた、小高い砂山の上へ行った。それ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ょう。暫くは何とも答えずに、喘ぐような声ばかり立てていました。が、妙子は婆さんに頓着せず、おごそかに話し続けるのです。 「お前は憐れな父親の手から、この女の子を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
もなく空しくこの家に厄介となり、鼻紙の事まで深沢の世話になるようになれば、深沢は頓着せぬ様子なれど女房は胸に持ちて居ずもがなの気色見えたり。余も心退けて安からね....