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頗る
「頗る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頗るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
が》に堕《だ》せざるようには、何とて造らざるぞ。科に落つるをままに任せ置たるは、
頗る天魔を造りたるものなり。無用の天狗を造り、邪魔を為さするは、何と云う事ぞ。さ....
「聖書」より 著者:生田春月
、やっぱり葉巻をささげて、少し首を入口の方へふり向けてロセッティを見ていた。この
頗る冥想的な場面に女中さんの紅くふくれた頬が例の階段上の弾奏を先き触れにして現れ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
へ。) と按摩の方から、この杯の指図をする。その工合が、謹んで聞け、といった、
頗る権高なものさ。どかりとそこへ構え込んだ。その容子が膝も腹もずんぐりして、胴中....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
た抄訳ではあるが、意義だけはほぼ通じることと思う。『永遠の生命』の一節は、説く所
頗る簡潔であるが、生命を『向上』と、『黙想』との二段階に分け、われ等の当面の急務....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
や人形には、一種言うべからざる簡素なる美を備え、またこれを人文研究史上から観て、
頗る有意義なるものが多いのであるが、近来交通機関が益々発達したると、都会風が全く....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
レンだとかローマとかを背景にするから、クラシカルなものには適当で、古代を味うには
頗る興味があるが、新らしい即ち現代を舞台とする筋のものでは、やはり米国製のもので....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
したこともあった。尤も実際口へ入れて見たら、予期通り一杯やれるかどうか、その辺は
頗る疑問である。多分はいくら香料をかけても、揉み上げにしみこんだ煙草の匂は羊肉の....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
に及ぶや、苦笑と一しょに「下司ですなあ」と言った。それは「下」の字に力を入れた、
頗る特色のある言いかただった。僕は某君には会ったことは勿論、某君の作品も読んだこ....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
た限りでは滝田コレクションは何と言っても今人の作品に優れていた。尤も僕の鑑賞眼は
頗る滝田君には不評判だった。「どうも芥川さんの美術論は文学論ほど信用出来ないから....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
しかしやはり肚の底には多少は何かを恐れている。この恐怖の有無になると、室生犀星は
頗る強い。世間に気も使わなければ、気を使われようとも思っていない。庭をいじって、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ったが、これは中々楽な仕事ではなかった。次ぎに二硫化炭素の実験であったが、これは
頗る臭い物である。臭い位はまだ可いとしても、塩化窒素の実験となると、危険至極の代....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
て志を果さず、今評論の誤謬を正す為めその一端を語る可しとて、当時の事情を説くこと
頗る詳なり。余すなわちその事実に拠り一文を草し、碩果生の名を以てこれを同二十五日....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と空嘯きて打笑えば、美人はわっと泣伏しぬ。高田はお藤をじろりと見て、「だが千円は
頗る高直だ。「考えて御覧なさい。これ程の玉なら、潰に売ったって三年の年期にして四....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
た。 今椅子に掛けている貨物は、潜水器械というものを身に装った人間に似ていて、
頗る人間離れのした恰好の物である。怪しく動かない物である。言わば内容のない外被で....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
争(一七三三―三八年)には全く会戦を見ず、しかもその戦争の結果政治的形勢の変化は
頗る大なるものがあった。すなわちフリードリヒ大王即位(一七四〇年)当時の用兵は持....