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頭の物
「頭の物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭の物の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
ところから伸子を見た。
「どうぞ」
彼女はパジャーリスタとは云わないで、よく街
頭の物売女がいうようにぞんざいにパジャーリチェと云った。ざらっとした声だった。顔....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
をくれるお糸さんじゃない何か言って、タンカを切ってね、一|文《もん》も貰わずに、
頭の物なんか売飛ばして、其を持って帰って来たは好かったけど、其代り今じゃスッテン....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そこで女中が、また小さな声で、おかみさんの耳元へ私語きましたけれど、これは店
頭の物音に紛れてよく聞えません。 が、おかみさんは、退引ならぬと見えて、帳面の....
「蠅供養」より 著者:田中貢太郎
の寺町通り松原下町にある飾屋であった。店には二三人の小僧がいて、入って来る女客に
頭の物をあきなっていた。九兵衛はもう蠅のことは忘れて、近いうちに嫁入りすることに....
「庚娘」より 著者:田中貢太郎
していった。 「あなた達が来てくだされたばかりで、私は外に出ることができたから、
頭の物は皆あげます。どうか私を尼寺へでも売ってください。そうすればすこしはお金に....
「源氏物語」より 著者:紫式部
られる。この日大将から院へ奉った衣服類は花散里夫人が引き受けて作ったのである。纏
頭の物は皆三条の若夫人の手でできたようであった。六条院のはなやかな催し事もよその....
「雁」より 著者:森鴎外
。馬鹿な銭を使ってはならないぞ。質流れにだって、立派なものがある。女一人に着物や
頭の物の贅沢をさせるには、世間の奴のするような、馬鹿を尽さなくても好い。隣の福地....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
そう思うと、汚い着物を着て、手足の不自由な小太郎が、頭の中で描かれた。綱手は、
頭の物、着物の類を、下女中に命じて、金に替えさせた。
その中には、綱手の宝物に....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
枝に縋りながら、井筒の上で心ゆくばかり泣いていたかった。 「菊。何を致しておる。
頭の物でも落したか」 不意に声をかけられて見返ると、主人の播磨は笑いながら縁先....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
、神田連雀町の湯灌場買い津賀閑山が、江戸中の掏摸のすって来た煙草《たばこ》入れ、
頭の物、薬籠などを競《せ》っていると、その場の宰領手枕舎里好のもとへ、人魚のお蔦....
「妖影」より 著者:田中貢太郎
にしていた櫛を出して見せた。それは黒い銀の星飾の着いたゴムの櫛であった。 「君は
頭の物をやるのが専門だからね」 と、友人は赧い顔で笑って見せた。私は女の注いで....