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頭を振る
「頭を振る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭を振るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
けっ放《ぱな》した低い声で葉子の耳もとにこういってみたが、葉子は理不尽にも激しく
頭を振るばかりだった。倉地は決心したように力任せにあらがう葉子を抱きすくめて、そ....
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
よと舌を出すつもりにしていたのではなかろうか……」 生島はだんだんもつれて来る
頭を振るようにして電燈を点《とも》し、寝床を延べにかかった。 3 石....
「街頭の偽映鏡」より 著者:佐左木俊郎
よ。どうも……」 だれかが傍から言った。 青白い顔の男はただときどき、静かに
頭を振るだけであった。そして、怪訝《けげん》そうな目で周りの群衆を眺め回すだけで....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
。 「お三輪が、笑止そうに、 (はばかりへおいでなすったのよ。) お組は黙って
頭を振るのさ。いいえ、と言うんだ。そうすると、成程二人は、最初からそこへ坐り込ん....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
めて熟練したもので、どすと音がしたかと思うと、牝牛は荒れるようすもなく、わずかに
頭を振るかとみるまに両膝を折って体をかがめるとひとしく横にころがってしまう。消毒....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
らの心になやみのたね だが、心して見ればそれほどの天体でさえ 揺られてはしきりに
頭を振る身の上。 10 われらが来たり行ったりするこの世の中、 それはおしま....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
部よりわれらを襲うならばわれらはニイチェの獅子と共に Ich will と叫んで
頭を振るよりほかはない。しかしこの命令が自己の内部より発したとき、自己内面の本然....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
な。ええ。……」 とじろじろと四辺を※す。 欣八は同じように、きょろきょろと
頭を振る。 九 「お聞き下さい。」 と痩せた膝を痛そうに、延一は....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
抱いた。 「よう、顔見せておくれやす。」 「口惜い。御寮人、」と、血を吐きながら
頭を振る。 「貴方ばかり殺しはせん。これお見やす、」と忘れたように、血が涸れて、....
「俊寛」より 著者:倉田百三
せはしますまい。自分の愛する妻の兄を! たとえ清盛が何と言いはっても。 成経 (
頭を振る)いや虚報ではありますまい。虚報にしては、あまりに細部にわたった報知だっ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、電話のベルが頻りに鳴ります。女中が出ますと長距離らしいのです。取次いでも、兄は
頭を振るだけで、出ようとなさいません。行合せた私が出て見ましたが、よその家のこと....
「影」より 著者:岡本綺堂
べよ。 (おつやは海苔巻を一つ取って遣る。太吉は旅人の顔をぬすみ視ながら
頭を振る。) おつや 忌かい。たべないのかい。(これも旅人をみかえる。)この子は....
「城」より 著者:カフカフランツ
すか?」
「そうですとも」と、若い男はゆっくりいったが、そこここにKをいぶかって
頭を振る者もいた。「ウェストウェスト伯爵様の城なのです」
「それで、宿泊の許可が....
「審判」より 著者:カフカフランツ
例外の場合であって、たいていはこの男の口から話がわき出てきて、それを興がるように
頭を振るのだった。ところがこんな話をしているうちに周期的にどこかの方言に巻きこま....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
んとうはひどく残酷なご婦人がたの眼を仰ぎ見て、弱い首の上でいよいよ重くなっている
頭を振るのだった。だが、それからはいつでも起こることが起こるだけだ。興行主がやっ....