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頭屋
「頭屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
崎の合戦の時、近隣の連中が陣見舞に酒肴をもたせて光秀の陣に来た。その中に京都の饅
頭屋塩瀬三左衛門と云うものも伺候したが、光秀が献上の粽を、笹をとらずに食ったので....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
めに内地に帰って行っていた。 邦人達は、たいてい、この軟派を仕事としている。饅
頭屋、土産物商、時計屋、骨董屋などの表看板は、文字通り表看板にすぎなかった。内川....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
ますわいの」と言ってげらげらと初やが笑う。 饅頭を食べながら話を聞くと、この饅
頭屋の店先には、娘に化けて手拭を被った張子の狐が立たせてあった。その狐の顔がそこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろ》が甚だ淋しい――立派な飯屋へは入れない。何か食わねばならん。町を少し行くと饅
頭屋。黒崎というところから出た名代《なだい》の女夫饅頭《めおとまんじゅう》、「黒....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
りて往くと鎌倉へ出る、此方へ参れば倉富へ出る、鎌倉道の曲り角に井桁屋米藏と云う饅
頭屋があって蒸籠を積み上げて店へ邪魔になる程置き並べて、亭主は頻りに土竈を焚付け....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ねばならない。例えば上州前橋の片原饅頭である。三十年前までは片原町全町を挙げて饅
頭屋であった、片原町に行って見ると朝早くから軒並に湯気を立てていて実に見ものであ....
「二通の書翰」より 著者:田中貢太郎
云うから、明治三十年前後のことであろう、その時鎌倉の雪の下、つまり八幡宮の前に饅
頭屋があって、東京から避暑に往っていた××君がその前を通っていると、饅
頭屋の主翁....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
た。 「播磨は今夜切腹する。十太夫は介錯の役目滞りなく致した上で、この一通を支配
頭屋敷へ持参いたせ。青山の家滅亡はいうまでもない。その方どもはあとの始末を済ませ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
畔の夏は淋しげである。) 米国新約克即事(米国|新約克即事) 港上万船留、岸
頭屋作、三十二層楼。 (港のあたりには多くの船が繋留され、岸辺は家屋が丘を作りあ....
「神戸」より 著者:古川緑波
へはいった、――あすこはもう南京町というのかしら、狭い露地の中に汚ならしい支那饅
頭屋があって、そこの肉饅頭の味は天下一品と思ったが、それも一つには、十銭に五つと....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
どす。虫祭の藁人形にはかかることはなくその形も小さし。雨風祭の折は一部落の中にて
頭屋を択び定め、里人集まりて酒を飲みてのち、一同|笛太鼓にてこれを道の辻まで送り....
「山の人生」より 著者:柳田国男
や一つの垣内だけで、なお古くからの土地の神に、精誠をいたしていた場合も多かった。
頭屋の慣習と鍵取の制度、社家相続の方法等の中を尋ねると今とてもこの差別の微妙なる....
「俗臭」より 著者:織田作之助
原因だった。もう一つには、同業の者を観察して、つく/″\嫌気がさしていた。鯛焼饅
頭屋は二十年、鯛焼を焼いている。一銭天婦羅屋は十五年、牛蒡、蓮根、コンニャクの天....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
鏡番と称していろいろの余興があり、翌々日も宮参り、終って一年の総勘定をする。鬮で
頭屋をきめ、酒食を中心とした村の集会であることは、関東のビシャとも似ている。 ....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
々の連合にはそういう中心の力がよわい。それを統一するためにまわり神主、または宮座
頭屋というかたい約束がむすばれ、あるいは世襲神職の家筋というものが定められたので....