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「頸動脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頸動脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
だ充分に感じられずに、ひょいと手拭を湯槽に浸した。と、ピリピリといやに強い感覚、頸動脈へドキンと大きい衝動が伝った。何となく心臓の動悸も不整だな、と思いながらも....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
彼の喰った栄螺は、もはや半ば以上消化され、胃壁を通じて濁った血となったのだった。頸動脈を切断して、ドンドンその濁った血潮をかいだしても、かい出し尽せるものではな....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ハッと屍体から手を離した。血潮は頸部を伝わって、スーッと走り落ちた。――何者かが頸動脈を切り裂いたのに違いなかった。 「なんという惨たらしい殺し方だ。頸を締めた....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
妻の入院中愛妾の神鳥みさほを引き入れた最初の夜に、伝次郎はみさほのために紙切刀で頸動脈を切断され、みさほもその現場で自殺を遂げてしまったのだ。それから、次は六年....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
ているのは、これまでの短剣殺人にはかつて例のなかったことだよ。しかも、沈着巧妙に頸動脈を避けて、たった一突きだぜ。それがまた、この奇妙な鉾立腰にぶつかると、一体....
島原心中」より 著者:菊池寛
いの警部や書記などの手前、努めて冷静を装いながら、まず女の傷口を見ました。見事に頸動脈を切ったとみえ、身体中の血潮がことごとくその傷口から迸ったように、胸から膝....
金属人間」より 著者:海野十三
の理由があって、ふとんをはねのけてはいだしたものと察せられた。 お三根は、左の頸動脈《けいどうみゃく》を切られたのが致命傷《ちめいしょう》であることがわかった....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
は近よってくるお千の生ぐさい唇の臭を嗅いだ。あわてて顔を横に向けようとしたが彼の頸動脈は、お千のためにあまりにも強く締めつけられていた。そのためになんだか頭がボ....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
てしまうのです。それでもやっと、二本いたしました。喘息を根治する薬はないらしく、頸動脈の手術も駄目だろうと野中先生は云われました。母が御神米をいただいてかえり、....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
は眼らない! そして私はいろんな自殺の方法を考えて見た。首を縊る……毒を飲む……頸動脈を断ち切る……頭か心臓かに拳銃を打ち込む……然しどれも面白くなかった。もし....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
死体には一面に太い襞が盛り上っていて、肋骨が浮き上り、傷は左横から、刃様のもので頸動脈が貫かれていた。 しかし、こうして死に、硬くなって、永久動くことのない身....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
して、脣は緩かな弓を張りそれには無限の悲しみが湛えられていた。 右の頸筋深く、頸動脈を切断した切り創は、余程鋭利な刃物で切ったと見えて、鋭い縁をそのまま、パク....
遺伝」より 著者:小酒井不木
あとで、事情をきいて見ると、その夜、彼女は剃刀で私の咽喉をきり、然る後自分の頸動脈をきって自殺を遂げたそうです。その左の手には私が書いて与えた刑法の条文をか....
按摩」より 著者:小酒井不木
筋を、短刀でぐさと突きました。人なみはずれて背の高い奴でしたから、突いた拍子に、頸動脈から、私の右の眼にパッと暖かいものがかかったかと思うと、焼けるように眼が痛....
ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
ものだ。もしあの時、身辺に日本刀があったならば、僕は何の躊躇もなくその鞘を払って頸動脈を切ったであろう。もし又、窓の前が千|仞の谷になって居たならば、有無をいわ....