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「頸根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頸根の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
は、松の小枝に青筋を立てて、うんと掻《か》く力の脈を通わせたように見える。藤蔓に頸根《くびね》を抑えられた櫂が、掻《か》くごとに撓《しわ》りでもする事か、強《こ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
つめている。これが平均を破壊する第三の条件である。これほど不平があるなら、吾輩の頸根《くびね》っこを捉《とら》えて引きずり卸したら宜《よ》さそうなものだが、鈴木....
一本の花」より 著者:宮本百合子
田がいた。伊田が低い腰かけにかけている後に、受附の茂都子が立って、ぐいぐい伊田の頸根っこを抑えつけていた。伊田は朝子を認め、頸をちぢこめたまま、上目で挨拶した。....
鈍・根・録」より 著者:宮本百合子
に起ると、その同じ母が信じられぬほどの理由ない卑屈さや小さい打算や卑俗さによって頸根っこをつかまれたように言動し、而もそれに賛成しない良人や子等に対して我執をは....
猫車」より 著者:宮本百合子
の爺さんのスピードでついて行くことは至極むずかしい。おそろしい注意と緊張ぶりで、頸根っこに力を入れているのではあるが、やっと日本鉱業百二十七と書いて、まだ円二十....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
あくびを消滅したのであった。 伸子のところから、関西風に袖の短い銘仙絣をきて、頸根っこに重くまるめた髪をこちらに見せ、机に向っている素子の横姿が眺められる。そ....
バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
ろ、金銭争奪を中心とする社会的森羅万象の只中に日夜揉まれて、自身の大胆な手足から頸根っこまで現世的紛糾に絡みつかれつつ、小説の上にその社会的人間関係を再現しよう....
闘牛」より 著者:野上豊一郎
の傍まで誘い寄せることに成功すると、ピカドルはいきなり槍を右手で持ち上げて、牛の頸根をねらって突く。穂尖は短いけれども、咽喉までも通るかと思われるほど深く嵌まる....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
|三頭立てに乗って、これもぶくぶくに肥って赤ら顔のパンテレイモンが肉ひだのついた頸根っこを見せて馭者台に坐り込み、両の腕をまるで木で作りつけたようにまっすぐ前へ....
決闘」より 著者:神西清
奴隷の種族だ。暴力の前でこそ顫えあがって感動して尾を振りもするが、一たんあの猿を頸根っこの抑え手のない自由の天地へ放して見給え、早速ふんぞり返って勝手な熱を吹き....
」より 著者:神西清
だのに屋敷内と来たらまるでシェレメーチエフ伯〔〕のお邸みたいに、お百姓で一杯だ。頸根っこをつまんで追い出しちまおうと思うが、可哀そうな気もしてね。」 ナターリ....