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「頸輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頸輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
》の鹿を、角をつかんで部屋の隅から引きずり出して来ました。鹿の頸《くび》には銅の頸輪がはまっていて、それに鉄の太い鎖がつながれていました。「こいつも、しっかり鎖....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
測ることも出来ず、また実はそういう、余裕も、寒さのためになかったので、直ぐに鉄の頸輪のように、噴火口を繞《めぐ》れる熔岩塊の最高点、剣ヶ峰――海抜三七七八|米突....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
が使に来た。その人の庭にある池の中に犬の死骸《しがい》が浮いているから引き上げて頸輪《くびわ》を改ためて見ると、私の家の名前が彫《ほ》りつけてあったので、知らせ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
王冠の外に女王の冠も有る、之も価の積り切れぬ多くの珠玉の飾りである、次から次へ、頸輪《くびわ》も出た、腕飾も出た、指環や金釦などを初め衣服の粧飾品や、文房具の様....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。大きなデカ爺が、自分の頭程もない先月生れの小犬の蚤を噛んでやったり、小犬が母の頸輪を啣えて引張ったり、犬と猫と仲悪の譬にもするにデカと猫のトラと鼻突合わして互....
加護」より 著者:宮本百合子
げる。 まだちっとも塵の立たない大きな屋敷の塀の内で、元気な犬が、胴震いをして頸輪を鳴らし、嗅ぎ音を立てながらあっちこっちしている気勢なども、如何にも快い十二....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
をやってマア人が通ると吼えるだけいいと笑っていたところ、ちゃんと飼っていないので頸輪も札もない。それが出かけるたんびに前になり後になりして走ってついて来る。ワン....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ました。小さいくせに。女の人ばかりだからアレアレなのよ。エイ、と思って、その犬の頸輪つかんでギューギュー引っぱったら喉がキュークツになってはなしました。チンたら....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
った。都市の華麗でしかも簡素な衣裳をまとい、多くの橋の腕輪をはめ、多くの記念塔の頸輪《くびわ》をつけ、悧発《りはつ》げな無頓着《むとんじゃく》さで伸びをして、ま....
故郷」より 著者:井上紅梅
は炊事部屋にいた。紫色の丸顔! 頭に小さな漉羅紗帽をかぶり、項にキラキラした銀の頸輪を掛け、――これを見ても彼の父親がいかに彼を愛しているかが解る。彼の死去を恐....
かもめ」より 著者:神西清
よそ行きのやつがあるはずだが。 シャムラーエフ (興奮して)よそ行きの? では、頸輪はどうすればいいのです? どこから持ってくればよろしいんです? こりゃ驚いた....
妖影」より 著者:大倉燁子
、大金をかけてつくらせた記念の品でございました。それから娘に買ってやった宝石類、頸輪、腕輪、指輪、殊に指輪は全部の指にもはめきれないほど沢山有ったのを、私はみん....