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頻
「頻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
原因を独身生活の影響だとでも感違いをしたのでございましょう。一日も早く結婚しろと
頻《しきり》に主張しますので、日こそ違いますが二年|前《ぜん》にあの大地震のあっ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いもよらずその真中《まんなか》には、乞食《こつじき》のような姿をした沙門が、何か
頻《しきり》にしゃべりながら、見慣れぬ女菩薩《にょぼさつ》の画像《えすがた》を掲....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の犬を覗きこんだ。犬は婆さんに抱かれたまま、水々《みずみず》しい眼を動かしては、
頻《しきり》に鼻を鳴らしている。
「これは今朝《けさ》ほど五味溜《ごみた》めの所....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
。
それがおよそ十分あまりも続いてから、祖母は静に孫娘を抱き起すと、怖がるのを
頻《しき》りになだめなだめ、自分の隣に坐らせました。そうして今度はお栄にもわかる....
「葱」より 著者:芥川竜之介
二つ並んでいる梯子段《はしごだん》の下まで吹き落してしまった。下にいる女髪結は、
頻々《ひんぴん》としてお君さんの手に落ちる艶書《えんしょ》のある事を心得ている。....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
そ、遅いと思いましたよ。」
忠左衛門は、煙にむせて、苦しそうに笑った。すると、
頻《しきり》に筆を走らせていた小野寺十内が、何かと思った気色《けしき》で、ちょい....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
る見る色を失い出した。そうしてその青ざめた額から、足もとの眩《まばゆ》い砂の上へ
頻《しきり》に汗の玉が落ち始めた。――と思う間もなく今度は肩の岩が、ちょうどさっ....
「運」より 著者:芥川竜之介
う。翁は、笑声を鼻から抜いて、またゆっくり話しつづけた。後《うしろ》の竹籔では、
頻《しきり》に鶯《うぐいす》が啼いている。
「それが、三七日《さんしちにち》の間....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加人と何か
頻に話し合っていました。 「実は今度もお婆さんに、占いを頼みに来たのだがね、――....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
或木曜日の晩、漱石先生の処へ遊びに行っていたら、何かの拍子に赤木桁平が
頻に蛇笏を褒めはじめた。当時の僕は十七字などを並べたことのない人間だった。勿論蛇....
「墓」より 著者:秋田滋
のまわりをルンペンか何かが徘徊してでもいるらしく、犬は、夢中になって吠えながら、
頻りに戸の下のところを嗅いでいる。そこで墓番のヴァンサンは、銃を手にして、四囲に....
「初雪」より 著者:秋田滋
ら、そのベンチに腰を下ろした。蒼ざめた顔はこの世のひとの顔とも思われない。そして
頻りに咳をした。彼女はそのたびに、自分の精根を涸らしてしまう、込み上げて来るその....
「寡婦」より 著者:秋田滋
話も出なかった。男の猟人たちは射撃の冒険談や兎を殺した話などをした。女連のほうも
頻りに頭を悩ましているのだったが、千一夜物語のシュヘラザアデの想像はとうてい彼女....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
あまたある。流星がとぶのも、隕石がひらめくのも、この谷間では国じゅうのどこよりも
頻繁だし、悪夢の魔女は九人の供をひきつれて、ここで跳びはねるのが好きらしい。 ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
何でも幼い頃からで、産れながらに知っていたような気もする。 「夢野久作ってのが、
頻りに探偵小説の様なもの――事実探偵小説の様なものであって、そん処そこらにある様....