頼み込む[語句情報] » 頼み込む

「頼み込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頼み込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
下の河岸を万遍なく探してみた。料亭など借りるのは出来過ぎているし、寮は人を介して頼み込むのが大仰だし、その他に頃合いの家を探すのであるが、とかく女の身は不自由で....
二重心臓」より 著者:夢野久作
という紫水晶の簪を見せびらかしつつ、甘木柳仙宅襲撃の仕事を見逃がしてくれるように頼み込む。等々力久蔵は暫く考えてから承諾の証拠に、紫水晶の簪を受取り、生蕃小僧と....
旅愁」より 著者:横光利一
いの千鶴子のびっくり顔をさも楽しそうに見ながら、あまり千鶴子と仲良くない真紀子に頼み込む難しい方法をあれこれと考えた。這入って来る客の雨外套から垂れる滴で床の斑....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いると、お角さんは、いつもよりは角を立てないで、お気の毒だがねえと言って、米友に頼み込むわけというのはこうなのです。 実はお連れ申して来た、お前の知ってのあの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
吉郎に頼みさえすれば大安心でございますが、藤吉郎が主人を見立てて、この人ならばと頼み込むまでには容易なことではございませんでした。もともと尾張中村の賤《いや》し....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ろんクリストフは、自分よりもよくエルンストを助け得るような身分にあるロドルフに、頼み込むこともできるはずだった。しかし彼はそうしたくなかった。独力で弟を救わなけ....
魔像」より 著者:林不忘
ラスラと運びそうもないのである。 あまり長庵が、筆幸のことを五月蠅《うるさ》く頼み込むので――もっとも長庵としては、このはなしが成り立てば、いずれ筆屋から、た....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
と知れたので、さっそく出かけて行って一伍一什《いちぶしじゅう》を話し、底を割って頼み込むと、しばらく考えていた日本一太郎が、 「それじゃあ、あっしが、その柘植の....
監獄部屋」より 著者:羽志主水
清潔の点では到底《てんで》較べもので無い。監獄部屋の名称は、刑務所の方で願下げを頼み込むに相違ない。 搾り粕の人間の窶《やつ》れ死は、まだまだ幸福な方で、社会....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
三は、 「お寿女さん、割り合せを頼むよ」とか、「こんどは二菅合せだ」とか、小声で頼み込む。 枠孔へ目打ちを立ててそれに糸を引いて、一方を口に啣え一方を縒りなが....