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「頼り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頼りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
っていられるのは、癪《しゃく》にさわらないでもなかった。それよりも渡瀬はすべてが頼りなくなってきた。自分でも知らずに長く抑えつけていた孤独の感じが一度に堰《せき....
婦系図」より 著者:泉鏡花
は島山の門の、例の石橋の際に着く。 姉夫人は、余り馴れない会場へ一人で行くのが頼りないので、菅子を誘いに来たのであったが、静かな内へ通って見ると、妹は影も見え....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。 これは私として極端に堪えがたい事だ。かのハムレットが感じたと思われる空虚や頼りなさはまた私にも存分にしみ通って、私は始めて主義の人の心持を察することが出来....
クララの出家」より 著者:有島武郎
を覓めた。 「クララ、あなたの手の冷たく震える事」 「しっ、静かに」 クララは頼りないものを頼りにしたのを恥じて手を放した。そして咽せるほどな参詣人の人いきれ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
来い、あっちからも百人傭って来い、なるたけ値切って傭って来いというような方式では頼りないのでありますから、国家の力が増大するにつれ、だんだん常備傭兵の時代になり....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
れからわが飛行島は、どんな任務につくのかなあ」 若い機関部の士官が、これはまた頼りない質問を、ある主砲の分隊付をしている同僚に出した。 「なんだ、これからどん....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
師範に赴任した。その人がまだ高師にいた間、登志子は兄さん兄さんと彼を何かにつけて頼りにしていた。たまには登志子の所を訪ねてきては後れた英語や数学を教えてくれたり....
」より 著者:池谷信三郎
だ。だから、……そんなことを言うのよ。私、何んだか、心のありかが解らないような、頼りない気がしてきて、…… ――君はそんなに悩み事があるの? ――私は母が違うの....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
を取りて、覚束無げに一服吸いつ。 渠は煙草を嗜むにあらねど、憂を忘れ草というに頼りて、飲習わんとぞ務むるなる、深く吸いたれば思わず咽せて、落すがごとく煙管を棄....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
上ではありまするけれど、気立の可い深切ものでございますから、私も当にはしないで心頼りと思うております。それへ久しぶりで不沙汰見舞に参りますと、狭い処へ一晩泊めて....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、隅々まで人間の手の行届いた田圃とは思われない、野原か、底知れぬ穴の中途――その頼りなさも、汽車の通るのが、人里に近くって嬉しかった。それが――後には可悪い偉大....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
そして死んで行くと同一心持なんでしょう。 楽しいと知りつつも、情ない、心細い、頼りのない、悲しい事なんじゃありませんか。 そして涙が出ますのは、悲しくって泣....
」より 著者:犬田卯
殆んど全部が再選で、依然として瘤派が五名、反対派と目されるもの――実際は甚だしく頼りない連中だったが……二名、そして彼自身、という分野になった。吏員のうちでは助....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
逅して渠らの辣手を振う経営ぶりを目のあたりに見る度毎に自分の経済的手腕の実は余り頼りにならないのを内心|危なッかしく思いながらも脾肉に堪えられなかった。その度毎....
今日になるまで」より 著者:上村松園
あります。その難関を突き抜けて行くうちに次第に強く生きる力を与えられます。他人を頼りにしては駄目です。自分の救い手は矢張自分です。立派な人間でないと芸術は生まれ....