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額
「額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
額の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
68
写真屋の飾り窓。男女《なんにょ》の写真が何枚もそれぞれ
額縁《がくぶち》にはいって懸《かか》っている。が、それ等の男女の顔もいつか老人に....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
も、どこかにありありと残っている。
「飯沼! 君の囲い者じゃないか?」
藤井は
額越《ひたいご》しに相手を見ると、にやりと酔《よ》った人の微笑を洩《も》らした。....
「影」より 著者:芥川竜之介
へ貼った鏡を後に、絶えず鉛筆を動かしながら、忙《せわ》しそうにビルを書いている。
額の捲《ま》き毛、かすかな頬紅《ほおべに》、それから地味な青磁色《せいじいろ》の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
開きました。すると三浦は例の通り、薔薇《ばら》の花束を持った勝美《かつみ》夫人の
額の下に坐りながら、『ひどく君はあの男が嫌いじゃないか。』と、たしなめるような声....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
い》つきの農夫、憐《あわれ》みの深いじょあん孫七《まごしち》は、とうにこの童女の
額へ、ばぷちずものおん水を注いだ上、まりやと云う名を与えていた。おぎんは釈迦が生....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
些事《さじ》にしても、快いに相違ない。ただ一人|内蔵助《くらのすけ》だけは、僅に
額へ手を加えたまま、つまらなそうな顔をして、黙っている。――藤左衛門の話は、彼の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
手を苛立《いらだ》たしいものにさせるのだった。叔母はしばらく黙っていたが、やがて
額で彼を見ながら、
「お絹《きぬ》ちゃんが今来るとさ。」と云った。
「姉さんはま....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
父《しんぷ》が一人、祈祷《きとう》の頭を垂《た》れている。年は四十五六であろう。
額の狭《せま》い、顴骨《かんこつ》の突き出た、頬鬚《ほおひげ》の深い男である。床....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
体細引を何にするつもりか、聞かしてくれと歎願した。しかし夫《おっと》は苦しそうに
額《ひたい》の汗を拭いながら、こう繰り返すばかりである。
「早くしてくれ。早く。....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
右に挙げて見せたり、又或時は後へ来て、まるで眼かくしでもするように、そっと妙子の
額の上へ手をかざしたりするのです。もしこの時部屋の外から、誰か婆さんの容子を見て....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
も生きていて、もう髪は真ッ白になっている。おお、金色の髪の毛が縮れている若々しい
額、やさしく撫でる手、物云う眼、皷動する心臓、唇を約束する微笑、抱愛を約束する唇....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。それで、思い通りの結果が出て来ると、顔に得意の色を浮べる。もし疑わしくなると、
額が曇って来る。考えた事の不充分のために、うまく行かないからで、また新しい工夫を....
「寡婦」より 著者:秋田滋
る。」一瞥見るだけで、分ってしまうのです。彼らはみんな髪の毛がうずを捲いていて、
額にひくく垂れ下がり、髭は縮れ、眼がそれはそれは大きくて、その眼で射るように視ら....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いてゆくと、彼の腕は、鳥が翼をばたばた羽ばたくように動いた。小さな毛織りの帽子は
額があまり狭いので鼻の上に乗っているように見えた。そして、黒い上衣の裾はぱたぱた....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
「オオ、ジッちゃんじゃないか、此頃あたしゃ、こげえなこと、しよりますやなァ」と、
額から鼻、鼻から頤まで暫くある、名代の顔に、恥い乍らも誇をひそめて、眼を細くし乍....