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顔なじみ
「顔なじみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顔なじみの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
軒提灯は秋風にゆらめいていた。二人はずっと店へはいって床几に腰をかけると、これも
顔なじみのお染という若い女が愛想よく茶を汲んで来たが、茶釜の前にもお里のすがたは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の自身番へ呼び出されたままで、まだ帰されて来なかった。きのうの葬式で近所の人とも
顔なじみになっているので、半七はそこらにいる人達から徳蔵の死について何か手がかり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、おめえの知っているだけのことを……」 「その留吉だって昨日《きのう》きょうの
顔なじみだ。別に心安いという仲じゃあねえ」 「どこまで行っても喧嘩腰だな」と、吉....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ている人達をかきわけて、半七と庄太は前へ出た。庄太は土地の者だけに、そのなかには
顔なじみの者もあるらしく、一人の男に声をかけた。 「もし、どうしたんですえ、その....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
りで毎日出かけていたのでした。それでも半月以上もつゞけて通っているうちに、幾人も
顔なじみが出来て、家にいるよりは面白いということになりました。昼席には定連が多い....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
だか得体のわからない会合であると思いながら、まずひと通りの挨拶をして座に着いて、
顔なじみの人たちと二つ三つ世間話などをしているうちに、私のあとからまた二、三人の....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
とてほとんど見られない静かな住宅区の通りであったが、今日ばかりはそうでなかった。
顔なじみの近所のお手伝いさんが、ほとんど総出の形で、どの家かの勝手口の門の前に三....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
出ようとすると、二人の男に挨拶された。月あかりで透かして視ると、かれらはこのごろ
顔なじみになった町役場の書記と小使で、これから近所の川へ夜釣りに行くというのであ....
「水菓子屋の要吉」より 著者:木内高音
う箱のつつみをぶらさげた人たちです。そういう人たちの中には、いつとはなしに要吉と
顔なじみになっている人もありました。 「よ、おはよう。せいがでるね。」 若い人....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
うであった。番台には今日と同様、湯屋の亭主か女房か又は娘が坐っていたのであるが、
顔なじみの客が来れば何とか挨拶して話しかける、客の方でも何か話しているのが多かっ....
「城」より 著者:カフカフランツ
落胆した。彼は見知らぬ人間たちを期待したのであり、彼にとって重荷であるこんな古い
顔なじみなんかを期待したのではなかった。だが、それは助手たちばかりではなくて、こ....
「子供の時分の話」より 著者:小川未明
した。いくらそのおじいさんが無愛想でも、ずっと昔からこの村にくるので、まったくの
顔なじみであったから、けっして他人のような気持ちがしなかった。そのそばへいって、....
「夏の晩方あった話」より 著者:小川未明
「おじさん、こんど、あめ屋さんになったの。」 正ちゃんは、
顔なじみの紙芝居のおじさんが、きょうは、あめのはいった箱をかついできたので、目を....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
法にかかっていたのかもしれない。 しかし、ここもすぐやめた。理髪店に勤めている
顔なじみの山田という男にすすめられて、理髪店の見習いとして住込んだわけだ。もっと....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
らしていると、何度も同じ人に出会わすよ、のみならず、ここを歩いている人達はみんな
顔なじみという気がするんだ。』と私は、あの人もあの人もと、折りから通り合せたいつ....